どらむろ さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
女性の変身超人バトル。母と娘の絆の物語。能登母親だよ能登
全24話。主人公の23歳の母親が超人に変身して敵と戦う宿命に巻き込まれながら、娘との絆を大切にしていくストーリー。
アメリカのコミックが原作ですがGONZO制作のアニメ版はほぼオリジナル、比較的日本のアニメ視聴者にも馴染み易い作風です。
全般に「デビルマンレディー」程には陰鬱ではなく、親子愛のテーマも良い感じ。
かなりグロあり。エロ要素はセクシーさはありますが左程でも無い感じです。
しっかり者の娘(6歳)の可愛さと、能登麻美子さんの珍しい母親キャラが見所でしょうか。
{netabare}『物語』
近未来の東京。古来より女性しか扱えない「ウィッチブレイド」という最強武器の装着者に選ばれてしまった23歳の母親・雅音(マサネ)。
6歳の娘の梨穂子との絆を裂こうとする様々な障害(児童福祉庁とやらの介入)や、導示(どうじ)重工という軍事産業の思惑、そして装着者を本能的に戦いと破滅に導くウィッチブレイドの呪縛…
それでも抗い生きた、母親と娘の物語…
「デビルマンレディー」みたいな展開…と思いきや、雅音が力強い母親だったり、敵は元軍事産業の実験兵器で、一般人が変化してしまう悲劇性は少ない、また軍事産業も鷹山局長が悪意のキャラではない事もあり、戦いは激しくとも意外と雰囲気は暗くないです。
雅音と梨穂子に温かく接してくれる奈月ビルの住人たちもアットホームな雰囲気。
全編通して終始前向きで、運命に屈しないのが良い感じ。
※こうして比較すると、雅音は不動ジュンよりは遥かに恵まれている印象。
見所は雅音と梨穂子の親子関係で、ドジっこな母よりも娘の方がしっかり者だったり、見ていて微笑ましい。
しっかり者の6歳幼女の可愛さは萌えるに十分!
…ウィッチブレイドの宿命に前向きに立ち向かいつつも、次第に深刻さを増す状況や、それでも互いを想い合う親子の絆、中盤以降~終盤に至るドラマに目が離せないです。
…雅音か梨穂子が手紙形式で想い伝える次回予告はグッと来ます。
敵組織「ナソエフ」のボス「ファーザー」の歪な欲望や、女性兵器「ネオジーン」達の悲劇…で、雅音と梨穂子の親子関係の尊さを逆に浮き彫りにする構図でしょうか。
{netabare}雅音と梨穂子は実は遺伝的に実の親子では無かった{/netabare}それでも親子の絆は強い。
敵組織の歪な拘りと狂気、に対する、本当の親子愛…というテーマは非常に説得力ありました。
終盤の展開は…結構泣けました。親子愛って、尊い。
総じて、一貫して親子愛の尊さ描いていて引き込まれる物語でした。
…その一方でエンタテイメントとして見ると、ウィッチブレイドにまつわる秘密辺りの設定面では、盛り上がりそうでいて意外と盛り上がらなかった感じも。
雅音の過去関連の伏線もやや不十分かも。
超人バトルはまぁまぁですが、大きく盛り上がる程でもなし。
ネオジーン側が報われなさ過ぎて気の毒、雅音親子の尊さ示す為のカマセな感が少ししてしまいました。
蘇峰玲奈のドラマ(まりあとの関係や鷹山への感情)は、もっと掘り下げてほしかった。
…それでも良作の域だと思います。
バトルの迫力やSF的な盛り上がりよりも、親子の絆重視の物語と言えましょう。
『作画』
アメコミ原作ですがキャラデザは日本アニメ風で親しみ易い。
雅音は美人という程では無いけれど母親らしい強さと美しさあり。
全般に巨乳多い。一方で幼女の梨穂子ちゃんかなり可愛いです。
バトル面はまずまずですが、やや単調で盛り上がるかは微妙かも。
『声優』
雅音は能登麻美子さん。能登さんの珍しい気の強い大人の女性キャラ、可愛さとは一味違った魅力ありました。
ウィッチブレイドの闇に飲まれそうになる野性的な咆哮や、一転して梨穂子への愛情にグッと来ます。
名演技かつレアなので、能登さんファンならば本作も外せない一作なのでは。
梨穂子の神田朱未さんのしっかり者幼女も非常に可愛かった。
鷹山の小山力也さんは渋い中年の魅力抜群。まさに小山さんのはまり役です。
水樹奈々さんの甘えっ子(危険)も見所でした。
『音楽』
OP2曲は雰囲気合ってますが横文字なので…
EDの方が雅音の心境出ていて好印象。前半の能登麻美子さん歌う「あしたの手」が一番良かった。
『キャラ』
若い母親で娘より抜けてる感じだが勝ち気で前向きな雅音に、十分な魅力あり。
過酷な運命にも主体的に立ち向かう強いヒロインでした。
序盤は社会常識の無さに印象悪くする視聴者もいるかも…
まあそこら辺含めて雅音らしいので…。
女子力低いのもチャーミングポイント、大人なのに梨穂子より幼いところあったり。
後半以降の鷹山との関係も見所でした。
梨穂子ちゃんは6歳とは思えぬしっかり者の良い子!23歳の母より断然大人でした。
家事スキル抜群、礼儀正しく思いやりのある…天使です。
梨穂子ちゃん見ているだけでも萌えるので本作の見所でした。
鷹山局長は強いて「デビルマンレディー」に当てはめるとアスカポジ…
なんですが、彼は悪人では無く典型的な不器用な男性でした。
小山力也さんに相応しいキャラ。
当初は強面で組織や会社の為に動いていた彼の…雅音親子や奈月ビル住人との関わりからの変化も見所でした。
奈月ビルの住人たちも人情味あって本作の雰囲気随分と和らげてます。
当初はイヂワルおばさんと思われたマリ子さんと、理穂子の関係が変わっていくのが面白い。
斗沢とチョーさんはキャラ立ってましたが、人見知りの占い師ナォミ(ナオミではない、らしい)は存在感薄かった。
和銅の小物っぷりは中々の狂言回しでしたw
ナソエフは手強い黒幕…と思いきや意外と小物なので話のスケールは小さい感じ。
身体は大人、心は子供なまりあは危険なヒロイン…だが気の毒であった。
蘇峰玲奈は何となく「寄生獣」の田村玲子っぽいイメージ。
最期には愛情の片鱗見られたのがよかった…。
4.5か迷いましたが、敵側のドラマがやや盛り上がらないので…{/netabare}