「星を追う子ども(アニメ映画)」

総合得点
66.3
感想・評価
648
棚に入れた
3191
ランキング
2946
★★★★☆ 3.6 (648)
物語
3.5
作画
4.1
声優
3.6
音楽
3.6
キャラ
3.4

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退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1
物語 : 2.5 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

どうしたかったのかわからなかったけど・・

「秒速5センチメートル」「雲の向こう 約束の場所」と観て今回の作品ですが、
ほどほどに面白かったです。
このほどほどというのは、どこかで観たようなファンタジーという同じものを2度見せられたような既視感、主人公のキャラが、立ってるようで少し薄かったということ、ラストにこれがやりたかったの?という疑問、異世界の生物のデザインが誰しもまたこれ??というくらいこちらの琴線に触れなかったということ、などでした。

 主人公の目的、手に入れたいもの、失いたくないもの(大事なもの)がはっきりさせなかった、途中で「私さびしかったんだ」というセリフが入るまで主人公の目的を語っていないので、観客側がどういう気持ちで観ればいいか、宙ぶらりんの状態にさせられ物語に入っていけなかったというのが一番ため息の出たところでした。
 脚本を書く上でおそらくこのプロローグと呼ばれる主人公の紹介キャラクターの性格設定、この性格設定による舞台配置がすごくあいまいにしたことが、脚本自体に余裕をなくしてしまい、その後のどんでん返しも使えないという結果になっていると思います。
 どんでん返しがないシナリオは、主人公の目的はなに?詐欺といわれてもおかしくなくなり、ドラマ自体を成立させられなくなります。意思表示を観客にはっきり提示することは前提条件であり、その後その意志が変わっていったり、その意志の強さが表現できる大事なファクターなので、ここをスルーすることは2時間枠の短編映画では致命的だと思いました。
 これを観て確実にジブリを思い出す方々はいるわけで、それを予測した上で名作ラピュタを超えていかなくてはいけないというハードルも上がって、ほどほどに面白かったというのは、かなりいい評価だと思います。
 ラピュタがすごいのは、そのシナリオだけでなく、ラピュタ側(古代人)側の意思というのを必要最小限に抑え、使う側の意思しだいでどうにでもなってしまうという、上手いバランス感覚、またシータとパズーをはっきりした恋愛感情にまで発展させない、上手いセリフ運び等もすばらしいところです。
 逆にこの作品では未だ残ってる異世界人が昔の重い話を雄弁に語ります。これで作品自体の雰囲気、ヴェクトルが重い空気になってしまった、そして主人公が、その事実と深く関係していたのか?先生と主人公のつながりは?という観客が納得いくまでの動機を入れることが出来なかったと思います。 
 前作でもそうでしたが、長編ファンタジーをやるのであれば相当なシナリオ力が必要になると思いますが、前作と今回の作品を観てると、シナリオがかなり不十分だと思いました。ジブリに似ているといわれるのは、商業作品としては失敗だと思っています。
 オリジナリティって何だろうと考えさせられる作品でした。
 でもまぁまぁ面白かったです。

投稿 : 2011/11/29
閲覧 : 228

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