「屍者の帝国(アニメ映画)」

総合得点
65.0
感想・評価
301
棚に入れた
1620
ランキング
3539
★★★★☆ 3.7 (301)
物語
3.5
作画
4.1
声優
3.7
音楽
3.6
キャラ
3.5

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ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

ネタバレだけど詳細は書いてません

 原作は未読。
 ネタバレ分類してますが、公開直後の作品なので詳細は触れないようにします。

 19世紀が舞台だが、死者蘇生技術やコンピュータらしきものがあったりと、現実の
歴史よりもオーバーテクノロジーが存在する世界観で、このスチームパンク的雰囲気が結構
好み。
 既出作品の人物やモチーフを引用したり、実在した人物を登場させたりすることで、より
19世紀らしさを感じさせるようなことをしているが、この辺は同じく19世紀を舞台にした
アメコミ「The League of Extraordinary Gentlemen」に似たものを感じてしまう。

 死者を動かすことで成立している社会というのは、作品世界人の感覚では安価な労働力と
いう点で便利なものなのかもしれないが、端から見るとやはり生理的な気持ち悪さがある。
 この死者が動くという点ではやはりゾンビを思い出してしまう。ゾンビというと
ジョージ・A・ロメロ監督作品以降は人を襲い、増殖していく存在が主流となっているが、
本来はヴードゥー教で死者を魂のない状態で動かして使役させるもので、そういう意味では
本作の死者達こそ本来のゾンビに近い存在のように思える。

 テーマとしては死者における魂、及びそれに伴う感情の再生や創造を扱ったもので、
ロボットSFにも通じるような内容。
 単なるエンターテイメント作品ではなく、医療、哲学、宗教、倫理観、死生観といった
問題にも踏み込んでいる感があった。
 結末に関してはまあ納得できるものはあったが、個人的にはもっと凄いものを期待していた
から、その辺は肩すかしの感はあったかなあ。

 舞台はイギリスから始まり、インド、アフガニスタン、日本、アメリカ、そしてまた
イギリスへとワールドワイドなもので、その風景作画も相俟ってなかなかスケールの大きさを
感じるもの。
 ただ、個々の舞台のつながりはメリハリが今一つといった感もあった。この辺は原作からして
そうなのか、脚本にする際に生じたものかは判りませんが。

投稿 : 2015/10/04
閲覧 : 300
サンキュー:

6

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