雷撃隊 さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
自衛隊、半世紀を経てようやく白星か
物語の中の自衛隊は結成以来様々な勢力と交戦して来た。しかし戦績はあまり芳しくない。1954年にゴジラ相手に黒星スタートでその後怪獣相手に良くて引き分けという程度。戦国時代に行った時は弾切れで全滅、第二次世界大戦に参戦した時も同様の結果。細菌ネズミの大群には辛うじて勝ったがヘトヘト。ロボットものの世界では真打が登場するまでの時間稼ぎが関の山。EVAが登場する前に使徒にボコられているのを見れば一目瞭然だろう。気持ちよく無双したことがほとんど無い。しかし今回ようやく思いきり無双する機会がやってきた。ドラクエみたいな世界に出掛けるのは僕が知る限り始めてで騎士やモンスターに戦車砲をぶっ放すのは新鮮な組み合わせだ。
主人公の伊丹二尉という男、オタクの自衛官ですか、今回の派遣先は彼の妄想の世界そのもので文句言いつついい仕事している。仕事に対するやる気は低いが自衛官としてはなかなか優秀だろう。レンジャーの資格を持っていたり習志野の特殊部隊の経験があったりかなりデキル男だ。作戦指揮能力も高く乱戦になっても的確な命令下していた。やる気は無いがやれば出来る男なので人望があるのも納得だ。もう少しで彼のヤン提督だろうか・・・しかし僕と同世代のくせに「爆ぜる砲弾、唸るディーゼル、いやいや、やっぱエルフにゴスロリに魔法少女でしょ」とは情けねー。アラサーのオタクはミリタリー系が入り口だと思うのだが・・・職業柄仕方ないのかも。栗林二曹、レンジャーは女性隊員は募集していなくて残念ですねー。
自衛隊の隊員とロープレのパーティーみたいな連中が徒党を組み楽しい文化交流+バトルをやらかすが日本が国家としてファンタジーの世界と外交交渉をするのはなかなか斬新だ。ゲートなるどこでもドアのおかげで補給の心配も無し、燃料や弾薬が切れることも無さそうだ。怪獣退治、人命救助、戦闘に遺憾なく実力を発揮していて実写や特撮の世界とは大違いだ。
最初に自衛隊の装備が微妙に古いのが気になったがきちんと理由が語られたので好印象。人工衛星が無い場所では衛星通信装備は余計なお荷物だろう。原始的な敵が相手では10式戦車よりも74式で充分だろう。現実では旧ソ連のT55が内戦や暴動鎮圧では未だに現役なのと同じ原理だ。ライフルは薬莢がやたらとデカイと思ったら89式ではなく64式だ。現用の89式は5・56ミリナトー弾だが旧式の64式は7・62ミリナトー弾で殺傷能力は89式を上回る。これは敵兵を即死させるよりも怪我人を量産して進軍速度を鈍らせた方が効果的なため。しかしバケモノがウヨウヨいる世界では火力重視でOKだろう。ワーグナーの「ワルキューレ」にのせての戦闘シーンは「地獄の黙示録」が元ネタで登場するヘリコプターも同じ機種だ。でもワルキューレにのせての航空戦は我が国の「ハワイ・マレー沖海戦」の96式陸攻の編隊飛行のシーンが先だ。こちらをパロディーにしてくれたら嬉しいけれど古すぎて解ってもらえないかな。
画面から確認できた兵器
74式戦車、82式通信車、60式APC、AH-1ヘリ、UH-1ヘリ、CH-47ヘリ、73式トラック、パジェロ、高機動車、155ミリ榴弾砲、f-4ファントム戦闘機etc・・・ちなみに74式戦車は僕が小学生の頃に始めて作った戦車のプラモデルなので今回メインになってくれて嬉しい。しかしファントム無頼の神さん・栗さんまでゲスト出演、版権大丈夫なのかな?
今回は途中で終わっているのでまだ評価のしようが無いが次回はいよいよドラゴン退治だ。自衛隊よ、実写・特撮ワールドの雪辱戦だ。