Kuzuryujin さんの感想・評価
2.6
物語 : 1.5
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 1.5
状態:観終わった
新人監督とカリスマクリエイターの組み合わせの悲劇
細かい不満点の指摘は、
他の低評価の方が的確に述べて下さっているので省略します。
端的に言うなら、麻枝氏オリジナルアニメ第二弾は
物語構築上の問題が如実に顕れてる作品でした
ANGEL BEAT (AB)の制作再結集というのは、
岸監督が抜けてる時点でまやかしだと思います。
ABもいろいろグダグダな所もありましたが
結末を上手くまとめているので
個人的には、かろうじて秀作と呼べました。
それは今にして思えば、岸監督の貢献が大きかったような気がします。
例えば、特典映像になったAnother Epilogueを
麻枝氏は本編の結末にしたかったそうですが
ハッピーエンドじゃなきゃだめだと岸監督がダメ出ししたおかげで
麻枝氏は脚本を書き直したそう。(wikiにより)
今作では、カリスマクリエイターの強力な自我に引っ張られ
全体として歪な形に纏まった感強し。
誰も彼の脱線を戒め、修正できなかった結果が作品から滲み出てる。
これでは仮に何クールあったとしても、良い作品どころか、
ますます纏まりのない作品にしかならなかったと思います。
特に今作は、監督と原作・シリーズ構成・脚本の
麻枝氏とのパワーバランスが悪すぎる気がします。
おそらく今作の監督は、実績もまだまだなので
麻枝氏にものすごく遠慮してる。
岸監督のようにシナリオの問題点を具申し、
時には丁々発止で改善に向けて
物語とキャラ描写を練り込む努力がほとんど感じられない。
麻枝氏には、やはり実績多い発言力ある監督と
組ませるべきだったと思います。
さもなくば、麻枝氏単独脚本ではなく、
アニメ界で実績多く発言力ある脚本家も
チームに組み入れられたらまた違う出来だったような気がします。
しかし、麻枝氏の才能は、特に音楽面で素晴らしいと思う。
でもモーツァルトは、文豪にはなり得なかったように
作家面では欠点も多い気がする。
典型的な芸術家肌で感性だけで突っ走り、
話が拡散しすぎて纏まりに欠けてしまう傾向がある方と感じます。
そういうクリエイターは、現実的な世界に引き戻してくれるような
良き参謀、女房役が絶対に傍に必要。
つまるところ、今作の物足りなさは、
麻枝氏と組ませる制作の人選を誤った
プロデューサーの責任が大きいのかもしれません。