chariot さんの感想・評価

3.9
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態：観終わった

前半と後半で評価が変わった・・・。

漫画原作の全12話。
バトル+異能、マフィア。

便利屋を営む男2人組ウォリックとニコラス。
彼らを中心としたエルガストルムという町の中で起こる騒動を描く作品。


とりあえず、問題なのは・・・
終わってない。
と、いうか今現在起こっている戦いすら終わってない。
分割です、といわれれば「な～んだ。」と言えるどころか、「当たり前だろ」と言うぐらい何も解決しないままほったらかしで最終話も終了。
原作に忠実だそうです。
何も変えずに12話分アニメにした・・・
続きは原作で、って良くある事だけど、ここまで中途半端に終わるってどうなんでしょう？
ちょっと許せる許容範囲超えてますね。。


物語。
序盤は面白かったです。
主人公が30半ばの2人組というのも高校生が主役のアニメが大半を占める中では味があるような気がしました。
ちょっとカッコつけすぎ？と思う面もありましたが、良いコンビで、そこにアレックスという女性が加わり、彼女を通して彼らの世界が見せられて行く。

{netabare}中盤は2人の過去にまつわる話と現在を同時進行。
この幼少時の事件がなかなか興味深く、一筋縄では行かない関係性を考えると面白かったです。

{netabare}どちらも父に愛されていなかった。
それでも愛して欲しかった。
恐らくウォリックはニコラスを救うつもりでニコラスを買い取った。
けれど、ニコラスはそれによって父の傍にいる事を拒否されてしまう。
ニコラスはウォリックが父から虐待されているのを知っていた。
だから彼がピンチに陥った時に彼の家族を全て斬った。
ウォリックが父に折檻（というレベルじゃないけど）されている時、何と言ったのかはわからないけど・・・
ニコラスは彼を助けた。
けれど、ウォリックにとっては家族を殺した相手・・・

成長して尚、ウォリックはトワイライツが嫌いだと言う。
それでもニコラスに必要な薬を買う為に便利屋をやって金を稼いでいる。
ウォリックを主人としてついているニコラスと彼に主従ではなくある種の友情を求めているウォリック。

この2人の憎しみなのか共犯者的な絆なのか、真意がわかりにくい感じが最後にどうなるのか・・・

と思って観ていたのですが。。{/netabare}

後半は町を仕切る四大父とトワイライツ、ハンターの入り乱れた抗争に。
大人数がごちゃごちゃしているけれど、何をしたいのかは理解出来る範囲。
ただし各個がどれだけ現在の主に忠義を持って動いているのかは解りづらい印象。
あとから沸いてくる新キャラまで心情を読み取れるようには出来てなかったです。
・・・で、途中で終わる、と。
便利屋活躍してないじゃないか・・・。{/netabare}

中盤までは評価4.5ぐらいでしたが後半ガタ落ちで3.0にしました。
1クールなら1クールでどうにかするのが仕事だと思いますので。。
{netabare}あとトワイライツはタグをつけられて「狂犬注意」的な扱いとの事だったのに後半ノーマルなのにそれを上回るハンターが続々登場。
強敵の存在は大事かもしれないけど、設定が覆された気がして・・・そこもマイナスポイントです。{/netabare}


キャラ。
とりあえず看護師の少女ニナは可愛かったです。
なんとなく、彼女もトワイライツなんじゃないかと思う所もあったのですが・・・明かされず。
ニコラスに抱えられて宙を飛んでるシーンは楽しそうでした。

ニコラス。
笑顔のひとつも出来ない無愛想さんなのにちょっとした所で優しさが見えていいキャラでした。

アレックス、モンローさん、煙草屋のばーちゃん、ダグ、と結構テンプレ的なのにいいキャラが多かったように思います。


声優。
ニコラスの津田さんに4.5で。
耳の不自由なキャラ設定での演技は鳥肌モノでした。
丁寧に話してらっしゃるので字幕出てたけどちゃんと聞き取れますよ。
幼少時の花江さんもお見事でした。


作画。
前半は綺麗でしたが後半に力尽きたのか最終話前の数話は乱れがありました。
特に喋っているシーンで口が動かず、話が終わっても口が動き続けるなど、かなり目につく感じでした。
ただマングローブっぽいお洒落感満載の色使いは好きなので前半部を考慮して4.0に。
ニコラス対ダグ戦は動きも良く面白かったです。


まとめ。
前半は雰囲気も良く（町は荒んでるけど）面白かったのですが、後半に進むに連れて便利屋の活躍ではない所がメインになって行き、まとめ切れなかった・・・
各評価はそこそこ高めについてますが、おススメ出来るかと言われるとちょっと観てくれとは言えない感じです。
原作がそれほど進んでいないようなので、最初からオリジナルの結末を用意するなり、抗争は出さずに便利屋とアレックスの日常的な感じでお仕事してもらえば良かった気もします。
作者はコースケという名でも女性だそうです。
主人公たちのカッコいいおっさん像は女性の方が好む作品かもしれません。