カミリス さんの感想・評価

3.9
物語 : 3.0 作画 : 3.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態：観終わった

麻枝准のアニメ作品

※key作品はゲームはすべてプレイ済み。アニメも視聴済み。


麻枝准作品ということで、ABの時と同様に期待されて始まった作品でしたが、最終回を終えて評価サイトではイマイチな評価が多いですね。

個人的には麻枝准らしさが出てて悪くはなかったと思うのですが、あれでは視聴者を納得させるのは難しいでしょう。


なぜこのような微妙な評価になっているのか個人的に思うところがあるので書きます。

{netabare}
そもそも麻枝准作品というのが１クールに向いていないと思うのです。監督さんが「シナリオをもらって、枠に収めるためにいろいろ削るところがでてくるけど、麻枝さんのシナリオはどれも重要すぎてほとんど削れない」と言っていたそうです。

ゲームで大ヒットしたクラナドもそうですが、基本的に麻枝さんは前半パートと後半パートをきっちり分けて、じっくり作る印象です。クラナド+AS、リトバス+リフレインといったように同じボリュームかそれ以上で後半を仕上げてきます。

ゲームでは容量の問題やプレイヤーの任意で物語を進めることが出来ますが、TVアニメでは各話の区切りによる枠、現在進行形で進んでいく物語と、ゲームとは勝手が違います。そのズレを無視したままシナリオにしているからABと同様になにか微妙な出来に見えるのではないでしょうか。

アニメ映画とかなら意外といい作品を作ってくれるのではと思います。


次に視聴者の見方？の変化もあると思うのです。

AIRやクラナド、リトバス、ABもそうでしょうか。”幻想世界”というSF的な要素がこれまであったんですが、これに関してどの作品も明確な答えというものはありませんでした。結構不確定要素に関してはざっくりとしてるんです。それを考察するのもひとつの楽しみ方だったんです。物語をそっともりあげる隠し味レベルのもの。

大まかに言うとね、

クラナドだって　町が渚を救った←は( ﾟдﾟ )？
リトバスだって　二人じゃ不安だからこの世界を作った←は( ﾟдﾟ )？

って感じなんですよ。かなり大雑把だけど。

ABも死期が違うのにどうして出会うのか？とかそういうのもざっくりしてるんです。

そういったざっくりが許されなくなってきたと思うのですよ。特に麻枝作品は。主人公だけ記憶が戻ったのはなぜー？とか麻枝さんにとっては多分どうでもいいことなんでしょうけど、今の視聴者はそこもちゃんと背景がないと納得しないんです。

まぁ、それを踏まえても今作は微妙でしたけどね。ぽっと出のテロリストとか、サラシェーンのこととか。実際にいろんなフラグを立ててない方の世界の友利がなんで最終回であんなに愛おしく思ってんの？とかね。

それを押さえ込むことが出来るだけの内容でもなかったし、ざっくり加減がさすがに雑すぎてるかなー・・・ってね。脇役の使い方も今までにないくらい下手でしたしね。


長くなりましたが結局言いたいのは、大なり小なり誤差はあれど

麻枝作品ってわりとこんなもんですよ？

ってことですね。


ゲームで完全版か書籍化をオナシャス！！
{/netabare}