tao_hiro さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
これってロマンスじゃないの?
あにこれのあらすじによれば、この作品は「生まれつき赤い髪を持つ少女・白雪と、隣国クラリネス王国の王子・ゼンを中心としたファンタジー。」だそうです。
え!?ちょっと待て!ファンタジー?・・・と思いました。念のため、ネットで調べたところ、たしかに「大人気ファンタジー」とか「恋愛ファンタジー」とか「宮廷ファンタジー」といったうたい文句で紹介されています。ウィキペディアでもジャンルは「少女漫画、ファンタジー」となっています。
私の頭が古いのでしょうか?・・・納得できません。私の中での「ファンタジー」は、中世ヨーロッパ風の世界観の中で魔法や怪物が登場する作品を意味します。
実際、ウィキペディアを参照すると、「ファンタジーの定義は曖昧であるが、弁別的特徴として、作品内に魔法などの空想的な要素が(現実的にはありえなくとも)内部的には矛盾なく一貫性を持った設定として導入されており、そこでは神話や伝承などから得られた着想が一貫した主題となっていることが挙げられる」とあります。
ところが、この作品にはファンタジー要素はほとんど認められません。中世ヨーロッパ風の世界観以外には。これは私の頭の中では「ロマンス」に分類されます。
「ロマンス」という言葉の意味を調べると、一番最初に「空想的、冒険的、伝奇的な要素の強い物語。特に中世ヨーロッパの、恋愛・武勇などを扱った物語をいう」というのが来ます。二番目に「恋物語。恋愛小説」になります。
ほらぁ!やっぱりロマンスじゃないですか!
まぁ、どうでも良い話ですね・・・(笑)
さて、この作品、王子様と身分違いのヒロインとの恋物語です。少女漫画原作としてはありふれた題材です。ところが内容は全く異色と言っていいような感じがします。なぜなら「ドラマティック」が無いのです。
出会いから結ばれるまでの間の二人の距離感が全然変わらないように感じます。
通常のストーリーであれば、様々なエピソードを二人でくぐり抜ける間に、心が接近したり離れたりして、その様子にドキドキ・ハラハラさせられて、ようやくラストに結ばれる、っていうような展開だと思うのですが、この作品の二人は最初から最後まで密接なままです。
厳密に言えば、自分の目標に向かってまっしぐらなヒロインに、王子様の方が少しずつ魅かれていくような描写はあるのですが、いかんせん、その描写は淡々としています。
ファミレスの洋食のような味の濃いドラマティックな展開を排して、料亭の和食のような繊細で透明感の高い味付けが、この作品の新鮮さだと思います。
2016年1月には第2クールが放送予定とのこと。さて、結ばれた二人にどのような運命が待っているのか、楽しみです!