シャベール大佐 さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
心優しい王子の成長物語
合戦に大敗して滅ぼされた国の王子アルスラーンが、国を取り戻すために僅かな家臣とともに立ち上がる戦記物。
普通に楽しめました。
舞台となる地の様子は中東風というかオリエント風というのか、そちら系の雰囲気。基本的には剣や弓矢で戦う世界なのですが、中には魔法?のような普通の人間には使えない異能を持ったキャラも出てきて、ファンタジー要素もあります。(個人的にはその特殊能力のようなものは、少し物語の雰囲気から浮いているような気がしました)
主人公のアルスラーンは、まだ十代半ばの少年。国を治める王となるには甘すぎると思われるような、とにかく優しいキャラですが、観ていてイライラするような弱さはなく、なかなか好感が持てました。そのアルスラーンが、様々な経験を通して王となるに相応しい人物に成長していく物語なのだと思うのですが(原作を知らないので多分です)、この作品の最終回の時点では、まだまだこれからというところで終了です。
アルスラーンを助ける家臣には、武勇無双の騎士や智謀抜群の軍師などがいて、そうなるとどうしても三国志の世界のような大活躍を期待してしまいますが、そういった豪傑の一騎打ちや、軍師の天才的策略などの爽快感や興奮度というのはやや物足りなく感じました。(ちょっと比較する相手が強すぎたのかもしれませんが)
音楽は1クール目のED曲が作品の世界観にもマッチしていて、とても良かったです。
最後まで観終わって振り返ると、最初の数話がとても面白くて、中盤以降はやや落ち着いてしまったような気がしました。それでも最終回では、この後の展開がかなり面白くなりそうなところで終わったので、2期があるなら観たい作品です。