「鋼の錬金術師(TVアニメ動画)」

総合得点
87.8
感想・評価
1573
棚に入れた
10600
ランキング
141
★★★★☆ 4.0 (1573)
物語
4.1
作画
3.9
声優
4.0
音楽
4.0
キャラ
4.1

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ネタバレ

oneandonly さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

魔法が科学として発達した世界の物語

世界観:9
ストーリー:7
リアリティ:8
キャラクター:6
情感:7
合計:37

強大なる力を秘めるという「賢者の石」を求めて、旅を続けるエルリック兄弟。 兄のエドワードは、弱冠15歳ながら史上最年少で国家錬金術師の資格を得た、天才錬金術師。 弟のアルフォンスは、見た目は屈強な鎧姿だが、心優しい14歳の少年である。 東部辺境の町、リオールにやってきた二人は、そこで太陽神レトの代理人を名乗る、 コーネロ教主の「奇跡の御業」を目撃するが…。
(公式HPより)

原作も未読なので、原作とは違うストーリーでも問題なしでした。設定上、この世界の魔法のような力(=錬金術)は科学(化学)に基づいており、何でも有りではなく、OP直前で毎度語られる「等価交換の原則」があります。これがこの物語を深めています。

余談となりますが、私が初めに書いた小説の設定も、魔法を科学化したもので、元素を操るので元操術という名前をつけたりしていました。当作品を見て、自分の構想の多くは表現されてしまったと思いつつも、良作だったのでとても満足できました。

{netabare}錬金術における秘宝、賢者の石はヨーロッパでも中国でも(中国では仙丹と呼ばれました)、時の権力者が永遠の命を得たいと思って探し求め、結局は鉛等の中毒で死ぬといった歴史がありますが、この作品でも錬金術の力を高めるため、ホムンクルスを生きながらえさせる物質といった形で表現されました(赤色は朱色にしたほうが良かったかも)。特に、賢者の石の生成に多くの人間の命が対価となるという設定は秀逸でしたね。

物質から人間を創るというのも、設定を突き詰めれば当然行きつくことであり(禁忌を犯した主人公たちにも同情はできる)、それに失敗した残骸がホムンクルスとなったこと、弟のように物質に魂を宿らせることが可能であれば、父親らが人間の体を乗り移ってくることができるという設定も理解できます。これらの設定やストーリーから、生と死、戦争についても考えさせられるものがありました。

門の存在も当初は門の先は死の世界と思われたところ、終盤になってこちらの現実世界(少し昔ですが)に繋がるというのも奇想天外の発想で、旅の目的である兄弟の体を取り戻すというテーマも、兄弟愛を魅せつつしっかりと回収し、別々の世界で生きていくという締め括りも好感。

特に面白くもないギャグ(身長等)があったり、終盤に等価交換を字面的に問答するやや微妙なシーンなど、4クールなので弛んだ部分もありましたが、ストーリーの面白さはこの長さでは優秀です。

作画・音楽は普通(OPは良曲あり)、キャラクターも一部濃すぎたり(もちろんあの筋肉キラキラです)、特に思い入れのある人物はいませんでしたが(敢えて言えばロス少尉が良かった)、見終わりのフィーリングが良い作品でした。{/netabare}

劇場版や原作に基づく作品もいずれ見たいです。
(調整4.4)

投稿 : 2016/06/18
閲覧 : 514
サンキュー:

21

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