まうしゅ さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
ただただ圧巻の一言。
○はじめに・・・
話は複雑だから集中しないと理解できないかもですけど、とりあえず観てみたらいいと思います。僕も1回じゃ理解できませんでした。2回目、3回目と見直せば見直すほど味が染み出してくる感じがします。話が難しいから低評価されることがありますが、用語やバックグラウンドを補完しながら見ていけばほぼ分かりますし、その努力をする価値はある作品だと思います。実際こんなに複雑なアニメなのに、安定的な評価を受けていることに表れています。
私からすれば、分からない内容を補完する努力を怠って、本当に良質な作品を素通りするほうがよっぽどナンセンスだと思うのですが。
○あらすじ・・・
マイクロマシンを脳内に組み込み、ネットワークにダイレクトにつながることで、コンピュータや電話などの通信機器を介在することなく、インターネットに接続したり他者との情報伝達をダイレクトにスピーディーに行うことが可能になった世界――――
しかしその利便性、高度化は、国家を脅かすハッキングやテロを誘発するようになり、そのような事件を未然に防ぐために組織されたのが"攻殻機動隊"こと、公安9課である。
○評価について・・・
声優:主要人物がかなり魅力的です。まず田中敦子さん!いい味出してますよね~ 荒巻さん貫禄ありすぎ…全然アニメっぽくない!笑 大塚さんはハマりますよねヤッパリ 山寺宏一はあんなに色んなキャラやってるのに、トグサはきちんとトグサで演じてくる。刑事上がりという真面目な部分はあるが、熱い所もあるのをきちんと表現していると思いました。
キャラ:
少佐、草薙素子
「囁くのよ、私のゴーストが。」
少佐は本来ポーカーフェイスですが、事件の中心に近づくにつれて感情が少しずつ見えてくる感じがいいです。やはりそれは、彼女が電脳化、全身義体化を行っていることにより、果たして今の自分が自分の記憶の中にある本当の自分なのかも不確かになってしまったからだと思います。その中で自己のアイデンティティを再認識させてくれるものは、彼女のゴーストであるという考えです。彼女がゴーストに判断をゆだねるところからも分かると思います。
トグサ
私はこのトグサこそが物語の中で真の主人公であると考えました。義体化をしてないキャラとして公安9課にスカウトされた彼ではありますが、持ち前の思慮深さや判断力を生かし少佐を支えています。血の気が多いわけではありませんが正義感がありますし、その正義感に盾つくものがあれば誰よりも熱くなります。熱くなりすぎて無茶をしてしまうことがたまにキズですが…笑
また、トグサ役の山寺宏一さんは1seasonのメインストーリーである「笑い男事件」首謀者である少年アオイの声も担当しています。彼も結局権力に対する抵抗が及ばず誘拐事件を起こした"正義感のある"キャラだといえますが、トグサ自身も最終話で笑い男と同じ行動に出ようとします。そんなところからトグサ=アオイの構図が成り立つのではないでしょうか。ナレーションをすることもありますし、私にはトグサが主人公に見えてしょうがありません。
あとは主要メンバー以外についての話をもっとしてくれたら、キャラに対してもっと思い入れがあったかもしれません。マンガでも別になかったのなら仕方ないとは思いますが...
作画:Production.I.Gのあの何て表現すればいいか分かりませんが、人間の書き方が好きです。特にこの作品はロボットと人間という2つが中心なので、人間の特徴というものをはっきり示してロボットとの差異化を図っていると思います。
音楽:言うまでもないですよね。作品に合わせるためにはしょうがないのでしょうが、暗い感じは心が沈んでしまうので最高の次という評価にさせてもらいました。
物語:この評価は5以上ですホントは、8ぐらい?笑 近未来が好きなんです、これは完全に個人的な評価ですね。
○これから・・・
マイクロマシン技術はそう遠くない未来に実現しそうで、そういうニュースを見たら、攻殻みたい~って思っちゃいます。これからもそのようなニュースを見る度にこのアニメを思い出すことができると思うとワクワクします。いつまでもみなさんに忘れてほしくない、と思える素晴らしい作品です。長文にも関わらず最後まで読んでいただき嬉しく思います。