ふりーだむ さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
君は、刻の涙を見る~改稿~
機動戦士ガンダム(ファーストガンダム)の続編。
1年戦争の7年後が描かれた舞台。ジオンの残党狩りを名目に地球連邦軍に創設されたエリート部隊「ティターンズ」。
その名のもとにコロニーに圧政を敷いていた。それに反発するスペースノイドは反地球連邦組織「エゥーゴ」を結成し、世界は再び戦乱に飲み込まれようとしていた。その中、サイド7・グリーンノアで行われていたティターンズの新型MS「ガンダムMk2」の試験運用テストに一機の赤いMSが忍び寄る。これが後に「グリプス戦役」と呼ばれる戦争の幕開けとなる。。。。
個人的にガンダムシリーズの中でも思い入れのある作品の一つ。
とにかく、キャラ、MS、ストーリー、曲と他のシリーズは一味違う、少々暗めの内容ですが、中身自体は秀逸な作品だと思います。
カミーユの成長や、クワトロ(シャア)の意図、シロッコの野望、ハマーンの謀略などが描かれ、完全にファーストを見た人向けに作られている分、ガンダムらしい政治的なやり取りや、強化人間の悲哀や、人間関係などを細かく描いてるせいか、子供っぽさの抜けきらないまま制作されたファーストや、序盤のおちゃらけムード漂うZZと比べて暗いムードが漂います。が故に一番「ガンダムらしい」作品と言えるような気もします。
Zオリジナルのキャラ、カミーユやシロッコ、ハマーン、ジェリド、ヤザン、ヘンケンやエマ、レコア、ファ、フォウなど多彩なキャラに加え、ファーストからの登場となったブライト、アムロ、ハヤト、カイ、ミライ、カツ、レツ、キッカなど懐かしい面々も出てきます。
その中でも特異なのが、やはりクワトロ・バジーナことシャアですね。人類のニュータイプへの革新を夢見てジオンを捨て、コロニーに対し横行を重ねるティターンズに反発しエゥーゴに参戦する。ファーストからのファンには嬉しい「ガンダムに乗るシャア」や「アムロとの会話(君を笑いに来た)」を見られるのも良いですね。
MSデザインにしても、このシリーズに数多く登場する可変型のMSが特に良い感じでした。Zガンダムやメッサーラ、ギャプラン、ハンブラビなどのMSデザインが良かったですね。ほかではやはりハマーンのキュベレイ、シロッコのジ・Oがデザインもそうですが、戦闘シーンの描き方もとても良かったです。カツに邪魔されましたがハマーン対シロッコという敵エースキャラ同士の戦闘シーンもありましたし、それを含め、戦略的で見ごたえがある戦闘シーンもこの作品の特徴の一つだと思います。
ストーリーもティターンズ擁する地球連邦対エゥーゴから、ハマーン率いるネオ・ジオンまで参戦し、終盤は謀略飛び交う三つ巴の戦いというのも良かったですね。人間模様を描いた面にしても、エマとヘンケンの関係や、クワトロとハマーン、クワトロとレコアなど戦場の愛憎を描いておりますが、その中でカミーユとフォウの若者の淡い恋を描いた19話「シンデレラ・フォウ」はガンダムファンの中でも人気があるエピソードになっていますね。悲劇的な終わり方をしますが、最後カミーユを守るフォウの姿が印象的でした。
曲にしても、Zのイメージに合った「Ζ・刻を越えて」や後期の「水の星へ愛をこめて」EDの「星空のBelieve」と名曲揃いなのも良いですね。戦闘シーンのBGMも個人的にはかなり好きです。
ファースト~0083~Zと時系列でつながっているのも良いですね。
この「機動戦士Zガンダム」という作品は諸説いろいろな余談がありますね。
ファーストガンダムが映画化するなど人気を博したため、急遽続編の話が持ち上がり、困った富野さんがテキトーに作った内容だったとか(以前・TVで富野さんが語ってました^^)、本来ZとZZは「ひとつ」の作品であり、グリプス戦役で消息を絶ったシャアがラストに敵として登場する予定(いわゆる逆シャアの内容)だったが尺の関係で途中で切って2つの作品に分け、シャアの登場は映画化に回したとか。
私個人的に、リアルタイムの世代ですが、学生時代はビデオもなく、部活に励んでいた時期でもあり見られなかった作品で、後にローカル局で放送したものを何度となく繰り返し見てました。何度見ても飽きない、面白い作品のひとつですね。(ベスト10に入れてなかった!入れます!)
余談~
映画版「新訳・Z」は個人的に好きではありません。ラストが頂けない。ZZに繋がらない。個人的には映画版よりもTV版を見ていただきたいです。