蒼い✨️ さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
結局は、もこっちの問題。
この作品は非リア充の女子高生・黒木智子=“もこっち”の切ない日常を哀愁を交えて面白おかしく描いたものです。
高校に入ってからは学校には友達がひとりもいない。
周りを見ると、みんなキラキラしてて僻み根性で陰口をたたいてしまう。
中学時代に一緒だった唯一といっていい地味だった親友は違う高校に進学してて、
イメチェンで美少女になってて、会うと劣等感を感じてしまう。
価値観を共有できる友達がほしい!彼氏がほしい!
ぼっちで寂しがり屋。そのくせ弟にだけは内弁慶。
悪人ではないけど思考がゲスになりがちな少女・黒木智子の物語です。
なんていうかさ、見てると切ないには切ないのですが、
小さいころは弟思いの優しくて明るい姉だった“もこっち”が、
喪女に落ちぶれてしまった背景が作品からは見えないのですよね。
アニメを観た限りでは“もこっち”は周りからイジメられてるわけでもなく、
なんで人に話しかけようとするとキョドってしまうようになってしまったのか?
今の智子の人格が形成された原因みたいなものが分からないと、
ちょっと作品としては不足してるかな?と思いました。
例えば、友達だと思ってた子に裏切られたり、
クラスでイジメられて孤立して、
人と話したり、仲間を作ったり好きになったりするのが怖い!みたいな?
でも、そうでもないのね。
まあ、これは非リア充の日常を描いたコメディであって、
PTSDをリアルに描いた社会派アニメでもないので。
そこまで重くする話でもないでしょうね。
あんまりシリアスにし過ぎるとイジメ描写だらけで、
視聴者の精神を蝕んでしまいそうですし。
原作者が明言してるように、“もこっち”の周りには悪人がいないそうですので、
“もこっち”次第で周りの景色が変わって見えたり、すんなりと友達が出来るのでしょうね。
でも、そうならないのが“もこっち”たる所以で。
聞いた話によると二年生になって修学旅行をきっかけに色々と変化があったみたいですけどね。
アニメを見たところでは、
毎回毎回、“もこっち”が自分で落とし穴を掘って自分から落ちていく。
自爆過ぎて共感できないし、
でも笑ってしまったら“もこっち”を馬鹿にしてるようでちょっと自己嫌悪を感じてしまう。
なんかもやもやしたものを抱きながら見てしまう。そんな感じでしたね。
特殊EDなんかもうね!笑いを取りに行って、かえって主人公を惨めにしてる感じで見てて辛かったですね。
でも、私の中で風向きが変わったのは夏休みが終わって2学期が始まってからかな?
理想の自分と現実の自分の違いに悩む“もこっち”の切なさに拍車がかかって、やっと共感できるようになりましたね。
でも、“もこっち”が気づいてないだけで本当はぼっちでもない。
本当に数少ないですが、優ちゃんとか今江さんとか自分に偽りのない善意をもって関わってくれる人もいる。
クラスでぼっちなのもアプローチの仕方が根本的に間違ってるだけなのですよね。
本当に“もこっち”が気づいてないだけですし。
繰り返すようですが、“もこっち”を玩具にしてイジメたり苦しめたりする悪いやつが作中には一人もいませんしね。
もし、リアルに校内に黒木智子がいたら、
学校では大人しくて緊張でろくに喋れないことから、
学年に一人はいる変な奴に目をつけられて、おかしなことになりそうだなと思いました。
もしくは比較的立ち位置が近い人間と薄くて浅い繋がりでどうでもいい付き合いをしてるとかそんな感じでしょうかね。
変な話になってしまいましたが、これにて感想を終わります。
読んでくださいまして、ありがとうございました。