たこやきトンママン さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
トンデモ設定を理詰めで突き崩す理系男子&悲劇の猫っ毛美少年の共演
地球から火星に移住した人々と地球人によるロボット戦争。
嫌いじゃないけどそこまで化けなかったかなあ。
1+2期をまとめて、
まずは良かった点から↓
●「リアル」が「トンデモ設定」を理詰めで打ち負かす爽快感
火星軍にはアルドノアドライブというオーバーテクノロジーを保有しているため、
基本的に火星軍のロボットはトンデモ設定な武器を持っている。
・透明化したり
・量子コピーで増えまくったり
(つまり分身し、そのどれもが"本物")
・全てのエネルギーを吸収できるバリアを持っていたり
(つまりどんな攻撃してもダメージを与えられない)
・ロケットパンチすごかったり
・何でも切れるエネルギーソードを持っていたり
・周囲に雷撃を撃ちまくれたり。
絶対勝てるわけない!という圧倒的兵力差。
地球軍側は普通のマシンガンやミサイルくらいしかなくて激弱。
そんな中で、地球軍側の主人公・界塚伊奈帆くんが
ステキな理系的分析能力を発揮して大活躍する。
ロケットパンチには加速が必要だから近づいては来ない云々…
何でも吸収できるのにこちらが見えているってことはバリアのどこかに穴があるはず云々…
1回触ってしまえば電位差はなくなるから雷撃は来ない云々…
このへんの設定がよく考えられていて、なかなか痛快だった。
そして冷静な分析眼でバッタバッタとトンデモを倒していく伊奈帆くんはカッコイイ。
ついでに色恋沙汰系に興味のないイケメンくんとくる。こいつぁ反則であろう。
2期では分析眼が強化され、脳の一部を機械化し、片目だけサイボーグ化する。
分析眼を使い過ぎると、
目が真っ赤になったり、頭いたくなったりしてしまうようになり、
ちょっとお茶目。ちょっと厨二。
トンデモ設定は火星側だけじゃなかったのかい!
という感じなのが可笑しい。
●最後まで「仲間」を持つことができなかった美少年スレインの悲劇
火星側の主人公・スレインくんは、
地球人でありながら火星で育ち、差別を受け続けてきた人。
たった一人の理解者であるアセイラム姫に尽くすことが彼の生き方。
黒幕の策略に巻き込まれたアセイラム姫と離れ離れになっても、
ずっと姫のためを思って行動する。
でもそれがいつの間にか、間違った方向に行ってしまうのが悲しい。
全ては、彼に最後まで{netabare}「仲間」ができなかったことが原因。
唯一分かり合えそうだったクルーテオのオジサンも結局ダメだった。{/netabare}
猫っ毛×金髪×純真という三拍子揃った奇跡のような美少年なのに!
キミが幸せになれないこの世界を恨みたい。
時折見せる、この世の全ての不幸をまとったような顔が悲哀を誘うのです。
●澤野さんの劇伴がカッコイイ
澤野弘之さんの劇伴を聞いたことないと伝わらない気がするけれど、
あれは何と表現するのが正解なのか。
エレクトリカルでキュルキュルしてて壮大な…
OP・ED含め、胸アツ。
少し物足らなかった所↓
▲伊奈帆くんは何故そんなに頑張るの?
圧倒的不利な状況にありながら戦い続ける伊奈帆くんの動機があまりよく分からない。
戦時下なので動機がどうとか言っている場合ではないけれど、
怖がったりもしないでしれっとしてるので何か底知れぬ動機があるのかと…
▲ストーリー面に驚きは薄め
「ストーリー原案 虚淵玄」さんに
釣られてきてしまうと肩透かしな感じはあるかもしれない。
僕は「キャラクター原案 志村貴子」に
釣られて来たので、そこまで気にならなかったけれど。
キャラクターを楽しみたい人向けかもしれません。
以上でございます。