ダレイオス さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
まさか日常系で過酷な登山描写がみれるとは・・・
5分枠で放送された1期の続きにあたる作品ですね。
本作は1期と比べてショートアニメから15分枠になったことにより
1期よりボリュームが充実していて山登りやアウトドアアニメとしても
日常系アニメとしても、中々の出来のアニメに仕上がってました。
本作は日常系+アウトドア系のアニメで
山登りというアウトドアな作風に日常系の要素を加えた、女の子ばかり出てくるアニメですね。
アウトドアな場所での日常風景の女の子達の可愛さに癒しを感じながら
基本的に山登りをする可愛らしい女の子が頑張る姿を愛でるものになっていると思います。
個人的にですけど何かに頑張る人は素敵だと思うので
一生懸命頑張る女の子達には感心してしまいますね。
ストーリーは最終的には富士山を登るのを目標にしているので
それに向けて取り込む所から始まるストーリー構成になってます。
最初は三ツ峠に登るものになっていて
序盤こそ日常系の雰囲気で進むのだけど、本格的な山登りに突入すると
思ったよりもリアルよりに描かれていた印象がありました。
やたらデコボコした登山道や急な斜面を登ったり
しまいには、崖ぽい場所をよじ登ったりかなりハードな場面が描かれたり本格的ですね。
主人公のあおいも思わず弱音を吐いたりするのだけど
そのセリフにリアリティーがあったり、山を登る時の息遣いもリアリティーがあったり
あおいの行動一つ一つに重みがあり、キッチリとした山登りをしている
心理描写を入れることにより山登りがキツイのはわかるけど
そのことにより山登りをすることの面白さは伝わってきました。
あと山登りに必要な知識、登山道の歩き方、心構えもキッチリと
入れているので、タイトル通りの「ヤマノススメ」にもなっていて文字通りでした。
個人的には萌えアニメと甘く見ていましたが
こういった山登りの厳しい所の過程を省かずにキッチリと見せたことは好意的にみれます。
やっぱり視聴者に納得してもらうためにはこういうハードさは必要だったと思います。
このおかげて視聴者もアニメのキャラに好感が持てやすくなったり
一体感が出てくると思うのでこの取り組みは成功だった。
そしてこのアニメの特徴的なのは比較的、日常と取り組んでいる活動
を分離している所が特徴的ですね。
登山している時は登山していて
遊ぶ時は遊ぶと
日常シーンでリラックスしたり遊んだりする時とまじめに登山を頑張るシーンは
わけていましたね。
そのことによりメリハリもあったし、厳しい登山で視聴者的にも少し疲れた後に
入る日常シーンは癒されるものになっていて非常にバランスは取れてました。
あと視聴者に対してのサービスシーンも日常系にしては
肌色の成分が多かったかな、風呂場のシーンや水遊びのシーンなど
女の子の色っぽいシーンがありましたね。
ラッキースケベ的要素もあるので
これに関してはどちらかといえば萌え要素が強かったかな
サービスシーンもしっかりとした作画なので、個人的には凄く嬉しかったのですが
1期では尺がなかったことにより描かれなかったと思われる
萌え要素なのだけど、1期の作風から普通の日常系を期待していた人には
こういった萌え要素は不要と考える人がいるみたいなので人によっては
合わないかもと考えてしまいました。
まあ深く考えなければ楽しめると思います。
萌え要素以外にも日常シーンは比較的、友情を深めるものが多くて
女の子達が仲良くなる過程がよく描けていたので結構感心してしまいました。
あおいとひなたが喧嘩しながらお互いを思いやることを
考えたりする所は凄く良かったです。
このアニメ日常シーンでも内容はしっかりしていたかな
登山がらみの話も多いので自然と内容も充実していました。
そして富士山に登ることになるのだけど、この富士山の登山は
個人的には富士山を登ったことがないのでどれだけ難易度が高いのかは
わからないのですが、きっと大変なことなんだろうとは感じているので
本作の富士山の過酷な登山描写には説得力はありました。
まず富士山に登るということで、あおいの母親には
心配されたり登る前から丁寧にストーリーを進めていたと思います。
シリアスにはなるのですが15分枠アニメなので
その分シリアスは長くならず程良い感じに抑えられていてバランスは
良かったと思います。
富士山の登山の下準備もしっかりと描写してたので
その下準備シーンを見ていると
これから富士山を登るのかというドキドキ感が沸いてくるので
不思議と富士山を登る回までが楽しみになりましたね。
そして登ることになるのだけど
やっぱりこのアニメ色々としっかりしていたかな
富士山の5合目の風景とかも丁寧に描写してくれるので
お世辞抜きで、行ってみたいと思ったりしてしまう丁寧さは良かった。
さらに富士山の登山描写もしっかりとしていました。
下の時の風景と上の時の風景が違い
段々、山を実際に登っているような感覚があり
リアリティーは感じさせられました。
そういった演出や作画があったこそストーリーが生きてくる。
ここでストーリー的にはシリアスになり
過酷な登山描写になるのだけど、しっかりとした演出や作画のおかげで
その過酷さに説得力はあったし、主人公のあおいを成長させるストーリーとしては
過酷さは良かったと思います。
ここで、あおいは上手くいかないんだけど
上手くいかなくて自分を見つめなおす展開にもなっているし
テンプレって言えばそうですが、失敗して落ち込んで
今までの自分を見つめなおしたりして成長させるストーリーは良かった。
ただ2クール目はかなり日常系よりになったかな
メインキャラを日常的な場面での掘り下げが増えたように感じました。
あおいがバイトしたりで社会勉強したりで
普通の成長ものになってましたね。
女の子のが社会に出て成長する展開はいいとは思うのだけど
タイトルの「ヤマノススメ」からするとチョット脱線したかな
登山に関しては2クール目はインパクトや登山している感じの描写は薄く
日常的場面で登山についての知識が語られたりするもののやや弱いかな
確かに日常シーンは楽しいのだけど1クール目にあった
登山と日常シーンのバランスはあまりよろしくはなかったかな
しかし新キャラが登場して、第三者の目であおいとひなたの仲を語ったりで
第三者の目からメインキャラ達がどう思われているのかという
描写が増えたのは評価したい。
このことによりメインキャラ達が自分達の関係を見つめなおすきっかけにも
なっているのでテーマ性は感じられました。
そして新キャラによってあおいの人間関係を持つことへの恐怖の克服がテーマになっていたり
新キャラよってあおいが成長するストーリー構成なのはわかるので
ストーリー構成自体はいいのはわかるし、あおいは成長したとは思うので
いい話にはなっていて終わり方はかなり綺麗だったと思います。
まあ2クール目は日常シーンは笑えますし
女の子みんなでどこかに行って食事したり
新キャラとの絡みも新鮮味があって良かった。
本来日常系によくある薄味なんだけど、ふんわりとした癒しを感じる
さりげないいい話が続く感じは好きでした。
作画についてはキャラクターデザインは可愛らしくて良かったと思う。
キャラの可愛らしさは表現出来ていました。
背景も綺麗で山の背景は写真加工ぽかったけど
演出面が凄く良くて山に登っている感じがよく出ていたので
それ程は気にならなかったです。
キャラの作画は1クール目はかなり安定して綺麗でしたが
2クール目の13話で若干の乱れがみられるようになり
後半の2クール目はほんの少し不安定だった。
まあ1クール目が良すぎたので気になる程度だと思います。
個人的には2クール目の1クール目の質で見たかったかな
声優さんについては日常系と厳しい登山の組み合わせにより
演技力が生かされ凄いなって思いました。
日常シーンと厳しい登山での場面での切り替えは素人である私が聞いても
手に取るようにわかり、キッチリと演技をしているんだなと
実感が沸いてくるので上手かったです。
過酷な登山での感情表現の凄さと日常シーンでの癒しを感じる演技を
同時にする声優さんはやっぱりプロなんだなと感じました。
これは高評価出来ます。
1クール目が登山描写と日常のバランスが凄く良くて
2クール目は普通の日常シーンを通してキャラの成長ものでしたね。
個人的には登山描写が良かった1クール目がいいのですが
日常系が好きな人は2クール目が合うかもしれません。
これは好みかな