けみかけ さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
剣と魔法のファンタジーと見せかけた『11人いる!』ラノベミステリーとその映像化として頂点を極めた一作、そしてハンスは俺の嫁
悪しき魔神が目覚めるときに自動的に選定される6人の勇者
勇者は6枚の花弁に例えられ「六花の勇者」と呼ばれていた
が、約束の地に現れた勇者の数はなぜか7人だった
この中に一人・・・偽者がいる
一見すると剣と魔法のガッツリハイファンタジー
しかし実際のところは『11人いる!』を髣髴とさせる心理ミステリーで、『11人いる!』のファンタジー版だと思っちゃっていいです
特別な力や技を持たないが様々な隠し武器と機知と気転に富んだ行動力で“地上最強の男”を自称する主人公、アドレット
一国の姫君でありながら無限に生成できる刃を操る聖者、ナッシュタニア
六花候補を殺害して回っていたがとある事情で勇者となった火薬の聖者、フレミー
ナッシュタニアに忠誠を誓う王国最強の騎士と名高い若者、ゴルドフ
聖者に関する知識に長けた統括者にして山の聖者、モーラ
当代最強の沼の聖者ながら強さに溺れシリアルキラーのように歪んだ性格の子供、チャモ
暗殺を生業とし荒んだ身なりと訛り言葉に加え猫の真似をするという露骨に不審な殺し屋、ハンス
一癖も二癖もある個性的過ぎる7人の勇者
これだけでもファンタジーアドベンチャーとしては十分楽しいところ
しかし7人目の罠に嵌った勇者達は結界の中に閉じ込められ足止めを喰らう
互いに疑心暗鬼に陥った勇者達は7人目探しを始め、六花殺しであるフレミーは真っ先に疑われてしまう
普通ならここで、というか流行りの路線に乗っかると『バトルロワイヤル』的展開になって一気に陳腐化してしまうのは明白です
が、アドレットだけはフレミーを庇い彼女の無実を証明するため奔走する
人を疑う話ではなく、人を信じるか否かの話なんです
つまり本質的には『十二人の怒れる男』ってわけですよ!
胸がアツくなるな!
原作第1巻を12話掛けてアニメ化するという珍しいスタイルですが、故に話に破綻が無く、尚且つ丁寧に仕上げられているのが本当に素晴らしい
とにかく連続ミステリーとしての引っ張り具合、ミスリード配置が完璧
7人全員のパーソナル、アリバイ、言動、全てが怪しく見える
それにトリックもまるで見当が付かないまさに完全密室
こういった辺りは『うみねこのなく頃に』の再来を感じさせます
つまり“アンチミステリーの証明”VS“アンチファンタジーの証明”ですよ
アクションシーンもたっぷりで、その作画クオリティもメチャクチャ良い
チームオレンジのCGも多用され、生々しく描かれる魔物の姿も奇怪で迫力あります
何気ない会話のシークエンスでも複雑にパンするカメラワークで絵的な部分では全く飽きを感じさせません
それとは別にOPが2本、EDが3本もあるってどゆことー!?w
フレミーのEDが特にいいですねぇ
作画(というか映像面全般)に関しては間違いなく2015年夏期のNo.1です
殺し合いを避け続け、絶対に信じることを諦めない主人公アドレットの意思が物語を強く牽引する様は本当にカッコイイ男=地上最強の姿を体現している
オイラもアドレットみたいになりたいよー\(^O^)/!
異常なまでにポジティブなアドレットと人間不信の成れの果てとも言えるほどネガティブなフレミーのカップリングもそそる
悲壮感漂う悠木碧の演技は特に脱帽モノ
が、個人的にはハンス!
ハンスかっこよすぎ!!
ハンス結婚して!!!(割とマジ
こんなにハマった作品は『ホワルバ』以来ですかねぇ・・・とにかく5,6年に1本あるかないかの凄い傑作だと思いますb
ミステリーお好きな方に是非オススメします