「六花の勇者(TVアニメ動画)」

総合得点
73.8
感想・評価
1256
棚に入れた
6710
ランキング
976
★★★★☆ 3.6 (1256)
物語
3.7
作画
3.6
声優
3.7
音楽
3.5
キャラ
3.7

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ネタバレ

karinchaco さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

推理要素たっぷり。後半加速度的に面白くなる。

ラノベ原作のアニメ。原作未読。集英社のスーパーダッシュ文庫ですね。

作品としては、ファンタジー×バトル×謀略ものといった様相。私的には当初の触れ込みで推理物の要素を含むと言われていたのですが、視聴者が推理する要素は薄い気がします。ただ、一応ミステリーは存在するのでアニメをじっくりと見れば回答がわかるのかもしれません。

第10話視聴段階の感想です。
登場人物について中心に感想を述べていますが、第10話が衝撃的な展開だったため感情的に書きなぐった感じになっていますw。
{netabare}
ネタバレ要素を多分に含んだ内容になっています。該当話までご覧いただいていない方はお引き取りください。
また、これから登場人物に対して結構ひどいこと言います。登場人物に愛着があるという方もここから先は見ないのが賢明だと思います。

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さて、本題に入ります。
冒頭でも述べましたが、当初私はこの作品をファンタジー&推理物だと認識しておりました。最初の方は、物語の進みが遅くつまらなく感じていたのですが勇者が全員集合して以降は加速度的に面白さが増してきました。しかし、肝心の謎が「6人であるはずの勇者が7人集まっちゃった。偽物は誰だ」という想像よりしょぼいものに・・・。この世界における日常の謎って解釈でいいんですかね。
ただ、この謎が物語の面白さに拍車をかけたのは間違いないです。なんたって、地上最強の男。我らの主人公アドレッドが第一容疑者として疑われる羽目になってしまいましたからね。登場人物一人一人の利害関係が複雑に絡み合っているせいで謎解きよりはアドレッドがどういう風にこの苦境から脱することが出来るかに焦点が当たっています。
10話時点では最後のヤマを迎える直前といった感じでしょうか。

この物語を魅力的にしている要素として主要登場人物の大半が勇者なのにクズっていることだと私は思っています。20年前ならアドレッドみたいな熱血主人公タイプは第6話当たりにはもうみんなをゴリ押しで説得し一致団結して7人目を見つけて魔哭領へと進軍して「おれたたエンド」だったんでしょうが、時代の移り変わりは厳しいものです。
それでは、ここからはキャラを一人ずつ掘り下げつつクズ具合を語っていきましょう。(人物ごとにネタバレタグ付けます)

・アドレット・マイア
(主人公・地上最強の男)
{netabare}最近はめっきり見なくなったこのタイプの主人公。最近のラノベの主人公といえば、俺TUEEEEで家に帰ると「お兄様流石です。」って妹から言われているのにどこまでもクールキャラだったりと、熱血キャラは影が薄くなるばかり。「俺は、猛烈に熱血している!!」って叫んでいた90年代が懐かしい。
本題に入りますw。
己の信念に忠実で、熱血なのに自己中心型ではなく他人のことを思いやることのできる、まさしく正統派主人公。俺TUEEEEではないが、機転を効かすトリッキーかつ実践的な戦い方をするのでそこそこ強い。ただ、自らを地上最強の男って言っちyゃうくらいの恥ずかしい奴。武井壮もビックリ。
この作品では、この真っ正直さが完全に裏目に出て一方的かつ理不尽に疑われ続けます。これで、彼が7人目かつ、論理的矛盾が生じなければ脱帽です。{/netabare}

・ハンス・ハンプティ
(殺し屋・ねこさん)
{netabare}裏家業を営んできた割には、自分の信念に忠実な奴。当初はアドレッドを犯人扱いする急先鋒だったが、アドレッドと交戦すると一転。彼を擁護する側に回ります。決め手になったのは、アドレッドに幻術をかけ、彼の死に顔を見て「死に顔は騙そうと思ってだませないから」判断したとのこと。
モーラに言い負かされるなど口八丁なタイプではないが、モーラに問い詰められた後も、アドレッドを信じる自分の気持ちは曲げてないように見えます。
きちんと話し合うことさえできれば、あとは理詰め(ここ重要)で説得が可能ということですが、アドレッド以外の人間では彼の協力を得られることも難しかったかもしれませんね。{/netabare}

・ゴルドフ・アウオーラ
(騎士・姫さんのおつきの人)
{netabare} 状況証拠と、アドレッドに対する心証の悪さから、彼を全面的に疑っている様子。しかし、それはナッシュタニア姫を守るナイトとしての心構えからのもの。神殿内で最初にアドレッドに斬りかかったのも姫を守るための行為だということで任務に忠実なタイプとしては普通のことです。
ただ、任務に盲目で柔軟性に乏しいことから、クズとはいえないまでも場面によっては無能のレッテルを張られかねないタイプ。{/netabare}

・フレミー・スピッドロウ
(火薬庫・人間と凶魔のハーフ)
{netabare}常に一匹狼を気取り他の勇者たちと敵対している火薬の娘。そんな彼女のことをアドレッドは登場以来ずっと気にかけています。頑なに心を開こうとはしませんでしたが、ついに最新話ではアドレッドの愛の告白を受けて周りの状況のこともあり心をようやく開きかけているみたいですね。デレるの遅いよ!!
彼女の生い立ちを考えると同情したくはなりますが、結果的にはこれまで勇者候補を消してきていますからね。安易には心を寄せたくありません。だけど、彼女をクズって言うのはどうもね・・・。{/netabare}

ここからは、かなりの酷評をしています。ご注意アレ
・チャモ・ロッソ
{netabare}(げろんちょ・クソガキ)
クソガキが身分不相応な力を持つとろくでもないことになる典型例。自分では難しいことは考えないくせに、いっちょまえに高い攻撃能力を保持している。
一目置いているモーラには文句を言いつつも従うところを見ると、長いものには巻かれるタイプなんだと思う。だから、ハンス&アドレッドの連携でチャモに勝っても実力的には自分が上だというプライドがあるから認められないだろうね。
彼女にとってみれば誰が7人目でも構わない。無関心。なのに、無駄に力を持っているというクズ。{/netabare}

・モーラ・チェスター
{netabare}(年長者・ヒスBBA)
勇者にとってもリーダー的な存在。本来なら全員の話をきちんと聞く場を作るのがリーダーの役目なんだろうが、自分の思い込みが激しく絶対に意見を曲げないクソBBA。
当初はハンスやチャモのほうが印象が悪かったのに第10話の彼女の行動で好感度は地に落ちたといってもいい。ある意味、この記事を書こうと思ったきっかけを作ってくれた人。
神殿に戻ってみたらチャモは拘束されてるし、ハンスはアドレッドに言いくるめられている。業を煮やした彼女は、自分が信頼されていることをいいことにハンスがアドレッドにやられて重傷だと嘘までついて、アドレッドにさらなる無実の罪をかぶせようとした所業はゲスの極み。全国紙で慰安婦の誤報をまき散らした朝○新聞みたい。
さらに、クズっているのはアドレッドの必死の説得に応じてしまいそうになる自分を恐れて、その元凶であるアドレッドを7人目だと思い込もうとする宣言。これにはあきれ果てました。こんな、クズが聖者たちを統括する長だったとは、この世界はある意味詰んでいますね。
これで、彼女が7人目だったら私の中ではスッキリするでしょうけど物語としてはダメだと思います。ただ、彼女が7人目じゃなくてアドレッドの疑いが晴れたら彼女はどうするんでしょうね。私は許せませんが、アドレッドならその広い心で許せちゃうんでしょうね。{/netabare}

・ナッシェタニア・ルーイ・ピエナ・アウグストラ
{netabare}(お姫様・メンヘラ)
私の中でモーラ以上に株を下げたのはこのお姫様。モーラと同様に地に落ちたわけですが、彼女の場合はモーラ以上に好感度高かったから最後に取っておきました。
私が、ナッシュタニアのどこをクズっていると思ったかというと、根拠もなく自分で考えたわけでもなくただ、アドレッドとのこれまでを信用して擁護していたはずが、モーラのゲスな大声にコロッと騙されてしまう情弱ぶりに幻滅。少しは裏を取る努力ぐらいしろよと言いたい!
結局、自分の印象だけでソースも確認しないでわあわあいう。モーラが朝○新聞なら、ナッシュタニアはその新聞を盲目的に信じる一部の読者の姿そのものです。現実世界ならば新聞を複数取る。ネットも含めいろんな裏を取る。ということで回避可能ですが、ナッシュタニアも一度神殿に戻る。おつきのナイトを神殿に派遣する。こういった方法がいくらでもある。
しかし、残念なことに彼女は純真無垢に育ったお姫様ですからね周りもイエスマンばかりだったんでしょう。しかし、勇者になろうというお方がそんなことも思いつかないかと思うと残念です。
私としては、ナッシュタニアにはアドレッドを切り刻んでしまってからハンスが無事なことを確認し、細切れのアドレッドの遺体の前で絶望の淵にでも立っていたらとも思いますが、さすがにそれは後味が悪すぎますね。{/netabare}


勢いに任せて書きなぐってしまいました。
これまで、チャモ、モーラ、ナッシュタニアについて酷評しましたが、ストーリーとしては最高の味付けだと思います。彼女たちがクズっているからこそアドレッドの魅力がさらに引き立つわけですし、このモヤモヤが、終盤の勢いを増してくれると思うからこそ多少不愉快なストーリーも受け付けることが出来ました。

さて、誰が7人目かって?私にとっては誰が7人目でも関係ないです。この状況を来週どのようにしてアドレッドが切り抜けるか。この一点にしか興味ないですから。{/netabare}

第12話(最終回)まで見ました。
{netabare}11話、12話と2話をかけての解答編になりました。こんな伏線あったか?というもの(例えば太陽の聖者の話)も全話振り返ってみると意外とちゃんと張っているんですね。さすがミステリー要素を押し出しているだけのことはありますね。
結果的には、ナッシュタニアが犯人でした。第10話のレビューであんなに書いておいてモーラが犯人だったら目も当てられないところでしたw。まあ、消去法で考えるとナッシュタニアか、ゴルドフぐらいしか考えられなかったわけでそういった意味でのサプライズはなかったのですが、動機はちょっと驚きました。ちょっと支離滅裂すぎて何を言っているのかわからなかったですよw。ただ、一つ分かったのは行動原理が何かの思想に基づいているってことだけですかね。それが、宗教なのか凶魔の差し金なのか、個人的な信念に基づくものかはわかりませんが。

ラストは結局、おれたたEND。そりゃそうですよね、凶魔の本拠地に乗り込むっていう話なのに神殿の結界に阻まれて一歩も進めませんでしたからw。新たな火種を迎えて一旦終了ということ。2期が気になる展開です。
{/netabare}

さて、全体を通じての感想です。
シナリオも推理要素が多分に含まれているうえに単調というわけでもない。あえて言うならば、序盤(第1話とか)が、方向性が見えなくて退屈に感じられたぐらいか。作画も戦闘シーンも迫力ボリュームともに十分な出来。充分に楽しませてもらいました。
不満点があるとすれば、好きなキャラが見当たらなかったぐらいですw。むしろ、好きなキャラがいないことこそこの作品のシナリオを盛り上げているとおもいます。

投稿 : 2015/09/21
閲覧 : 406
サンキュー:

25

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