ぽぽんぷぐにゃん さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
フォーエバー・古典部
大飢饉時代()。
昨年の「シュタゲ」がもたらした名作ラッシュの勢いはどこへやら、ファンは飢えに飢えていた。
いっこうに満足いく作品は現れず。
延々と縮小を続ける期待の星の悲報が伝えられる度に、漏れだす溜息。
もはや名作は出ないのではないだろうか・・・・
そんな重々しい空気が充満し、不安はますます募るばかりだった。
その時が来るまでは・・・ よもや最初の刺客が思いもせぬ方向から襲来しようとはまだ誰も知る由もなかった2012年の前半、奴はやってきた。
はるばる異次元から。
かつてゲームの国から何隻もの黒船が到来したのは記憶に新しい。
しかし今回は、まさかの「小説」からの黒船が来てしまったのである。
本作は、2001年より刊行されている小説の、アニメ版である。
古きよきいつかみたあの日を体現する作品として、あるいは、学園小説の名作として、その名は知る人ぞ知るところであった。
だが、長すぎる雌伏を経て、再び現れた本作の姿は、「腐ってやがる、遅すぎたんだ……」とばかりに変わり果てていた。
それでは、その実態を紐解いていこう。
まず、本作のアニメ性を総括すると、現代化されたアニメだ。
学園物そっちのけで、スマホやパソコン掲示板など、現代のありのままの姿が描かれている。
「私、気になります」などの名言をも生んだオタク仕様も相まって、
小説時代の面影を拝むことは難しい。
コスプレが登場するのは言わずもがな、初音○○や鏡音○○のキャラクターが登場したことも忘れがたい。
かくして、『氷菓』は、「異邦人」たる我々に対して全力で異次元兵器を投げつけた。