craftbeer さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
難解だからこそ
個人的に不足内容が多々あったのでコメントを加筆しました。
あくまで個人的解釈なので、参考程度でご覧下さい。
多くのコメントでも難しい、わからないという評価をされる作品です。正直どんな結末が正しいのか、明確な回答を出せない作品です。
ただ作品の大枠は『未来に向かっていることへの期待と不安』だと思います。
高校最後の夏を過ごす6人が恋愛と友情を折り混ぜながら、将来もしくは現在の自分の立ち位置と向き合っていくことが、全編を通じてのテーマだと思います。
透子と駆の未来が見える力も、個人的な将来への期待と不安が重なった不確定な未来像だったと思います。また2人の根底にある要素は透子は未来の自分の姿、対して駆は過去の体験からきていると思います。最終話手前で透子が見たのが、駆の過去の体験からくる不安と透子の未来に対する不安が折り重なって見せた幻影だと思うので、お互いは似た形をした別の未来を見ていたのかもしれません。ここは不明です。ちなみに駆が途中から見える力を失うのは、好きな気持ちや将来への期待や不安に目処を立てた結果だと思っています。
また全編を通じ、美しく儚いもの(花火・硝子・鈴・雪・ピアノの旋律・流星など)を連想させており、それを未来への期待と不安の暗示だと思います。「グラスリップ」というタイトルも、始めは硝子玉を眺めていたら未来が見えた、という意味かと思いましたが、硝子玉を美しく壊れやすいものの象徴として『未来に向かっていることへの期待と不安』を込めていると考えています。あとglass+lipで『上手く伝えられない思い』のようなものも込めているとも考えています。
とりあえずどんな結末が正しいとかを考えずに、話の大筋を想定して見直すと、見落としてた細かい描写やセリフに納得できたり、逆に想定した大筋に当てはまらないところから再び筋道を考えるなど、オリジナルの解釈を作って楽しむという、難解だからこその楽しみ方もあります。低評価で終わらせるにはまだ早いと思うので、考察コメントが増えることを願います。