退会済のユーザー さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
タイトルなし
【アッパレ戦国】と並んでクレしん二大感動作品と称される本作。
「感動できるか?」と訊かれたら「感動できる」と確かに言える。
ただ、「面白かったか?」と訊かれると、なんとも言えない。
テーマ、メッセージ共に素晴らしい出来であるがゆえに、僕が説明してしまうのは無粋な気がするので、割愛。観れば心に訴えかけるものがあるはずだから。
強いて挙げるなら、ひろしの回想からの「とーちゃん、オラがわかる?」に涙腺を揺さぶられ、しんのすけの必死の走りに胸が熱くなったなぁ……。
物足りなさを抱いてしまうのは、チャコの存在感の薄さだろうか。ぶっちゃけ、このキャラ要らないよね……。
年齢的にも、チャコがそこまで過去に拘るようにも思えないんだよねー。まぁ彼女の場合、ガチで思い入れをもってるケンとは異なって、現実逃避したいだけって感じだけど。
でもそれならそれで、ケンとの温度差のようなものの描写は必要だったんじゃないかな。……かといって、ケンの掘り下げもそこまできっちりしていないのが悩みどころなのだけど。
ひろしとケンが対比の関係に近かったのだし、どうせならしんのすけとチャコの絡みをもっと増やして、最後のシーンに活かしても良かったかもね。
個人的に、ケンの声を務めた人は、もう少し演技にメリハリをつけて欲しかったところ。
しんのすけやボーちゃんに辛酸を舐めさせられたシーンでは、もっと激しくキレてくれてた方が親しみが湧いただろうなぁって思う。
ただでさえギャグ色が薄いのだから、要所要所でパワフルな笑いを盛り込むべきだよね。
……あれ? なんか不満点ばっかり書いてしまってるな。
でも、とても良い作品だとは本当に思ってるんだよ?
バーのシーンもバスのシーンもタワーでのやり取りもしっかり楽しかったし。
たぶん、埼玉紅サソリ隊とか菜々子お姉さんまでもが昭和の匂いにやられてしまっている、というのが、僕的に腑に落ちない大きな要因になっているのだと思う。
ひろしやみさえぐらいの年齢ならばともかく、10代の少女までもが過去に強烈な思い入れがあるというのは、しっくりこなかった。
ここでもまた、紅サソリ隊と中年層との温度差のようなものが描かれていれば、もっと本作のお話に惹き込まれていただろう。
映画として観るには、20分尺が足りなかった。