「GANTZ~the first stage~ガンツ(TVアニメ動画)」

総合得点
63.6
感想・評価
343
棚に入れた
1460
ランキング
4278
★★★★☆ 3.4 (343)
物語
3.5
作画
3.4
声優
3.4
音楽
3.3
キャラ
3.4

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ネタバレ

どらむろ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9
物語 : 1.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 2.5 状態:観終わった

謎の状況でひたすら死闘繰り広げるグロバトル。クズばっかりな上、日常パート冗長。原作改悪

ヤングジャンプの大ヒット漫画原作の、不条理系バトルアニメ。
死んだハズなのに、訳も分からず集められ、不条理な死闘を強いられていく。
その過程での人間ドラマ、「正義とは何か?」等の葛藤が見所…
ではあるのですが、全般に極めて悪辣で、人間の汚い部分強調した作風が特徴か。

とにかく描写的にも精神的にも殺伐とした悪趣味な作風なので、合わない人は視聴が辛いです。
極めてグロいので、ニガテな人は要注意。R15以上は指定すべきアニメ。

{netabare}『物語』
訳も分からず戦いを強いられるのは「ぼくらの」っぽさもある(本作が先輩)が、黒幕の顔が一切見えず、不気味で不条理な印象が終始付きまとう。
敵は意思疎通不可能な不条理なので、ドラマは主にバトル参加する人間たち同士となるが…
本作は基本的に「登場人物はクズばっかり」
なので、互いに足引っ張って、まともなバトルに中々ならない。

徹底的なまでの性悪説。
人間の確かに存在する一面を、主に悪い方向に描いているので、とにかく胸くそ悪いです。
そんな中で、主人公たちは奮闘するのですが…

戦闘の無い日常パートが極めて退屈な上に、人間の醜い部分丸出しな展開、正直不愉快でしかありません。
まあ主要キャラの掘り下げは大事でしょうけど、延々と性悪説ドラマ見せられてもウンザリする。
ここは最小限にして、サッサとバトル始めればいいのに。

戦闘パートは中々面白いのが見所、チープなB級感あるものの、そこもまた持ち味かも。
ただし、いわゆる「テンポ」は非常に悪い。
クズな人間同士の足の引っ張り合いでバトルが間延びしがち、基本的に極めて頭が悪い奴らばかり、中々まともな戦いになりゃしない。
…「あばれんぼう星人・おこりんぼう星人編」(3番目の敵)は中々熱かったです。
次第に追い詰められ、圧倒的な敵に仲間が次々と倒される絶望感は良かった。
この3回戦の仲間は本作アニメでは一番まともなベストチーム、桜丘聖(さくらおか・せい)とのドラマ、自衛隊員の狙撃手のいぶし銀な善戦など、見せ場多し。
狂ってる奴も含めて面白味があるし。
このアニメ、ぶっちゃけ「16話~21話」だけ観るのが一番面白いかも。

21話までがピーク。
以降最終話まではオリジナル展開ですが、完全に原作の良さを殺してしまっている。
人間同士のバトルロワイアルも悪くは無いんですけど…
いったい、何が言いたかったのか理解に苦しみます。
「少年法とか性善説の全面否定」
ですかね?
勧善懲悪ならまだ良かったのですが、人間の善意を終始冒涜していく展開は、悪趣味としか思えなかった。
ラストの何の解決にもなってない上に、何が起きたかサッパリ理解不能。
…板野監督は偉そうな主張して2000万部のメガヒット原作を捻じ曲げておいて、このザマ。
これは許されんよ。

総じて
不条理バトルはB級感はあるが中々、14~21話までは結構熱くて評価。
日常パートが退屈な上に不愉快。
不良カツアゲや火垂るの墓イヂワル叔母ホームレス狩り…が冗長過ぎる。
そういうシーンあってもいいが、延々見せられたくない。
最終章「玄野星人編」のオリジナルが原作改悪にしてラストもダメ。
…悪趣味ではあるが、独特の魅力はあったのに。


『作画』
初期のプレイステーションのゲームめいたCGの使い方が上手く、現代から見るとチープだが当時としてはかなり見所あり。
今振り返っても、独特の雰囲気を出していた。
流血や人体破壊上等なグロさも、本作の持ち味としてはアリ。
バトルはB級感漂うが、演出は悪くは無い為か、盛り上がるシーンは多い。

『声優』
主人公・玄野計の浪川大輔さんが、良くも悪くもイメージばっちり。
加藤の大里雅史さんはアニメの主役級は本作のみ、合っていたのでは。
クソ生意気な中学生・西の矢部雅史さんは主役級少ないがベテラン、良い感じに憎たらしくて良かった。
メインヒロイン・岸本恵(きしもと・けい)の生天目仁美さんは流石に可愛らしい好演でした。
園崎未恵さんの桜丘さんの大人の女性な魅力も良し。

「ホモ」の神谷浩史さんのチャラい感じもグッド。
辻谷耕史さん、真殿光昭さんの悪党っぷりも中々、特に真殿さんのクソガキっぷりは殺意覚えるくらいの熱演でした。

『音楽』
あまり好きではないが、まあ作風には合っていたのでは。

『キャラ』
全般的に、極めてイライラさせられる馬鹿が多い。
主人公・玄野計は良くも悪くも「今時の平凡な若者」
…けど主人公っぽくない!
日常パートではウジウジと加藤に嫉妬していた印象ばかり。
しかもダラダラとテンポも悪く、イライラする。
徐々に成長して見せ場はあるも、最終章で出した結論は共感できない。

加藤の方が主人公気質な好青年なのだが…綺麗すぎてこの世界では嘘くささが目立つ。
優し過ぎる為に引き金を引けないせいで被害が増えたり、典型的な「偽善」タイプの主人公(本作では脇役だが)になってしまった。

メインヒロイン・岸本恵は…正直、一番ウザかった。
見た目は可愛いが、この女は大嫌いですね…。
こいつに執心で日常パートをダラダラ過ごすのが余計にストレス溜まる。

黒幕くさかった邪悪な中学生・西丈一郎は、中々面白味のある奴。
邪悪だが妙に汚くないというか、こういうタイプの邪悪さは(創作のキャラとしては)許せる。
リアル過ぎる人間の汚さではなく、創作世界での狂気の方が見ていて面白いですから。
…こいつが他参加者を的確に罵倒したシーンは、非常に共感出来ました。
(私もあんまり善人じゃないみたいです)w
彼が本作では一番好きです♪

桜丘聖(さくらおか・せい)さん、岸本なんぞより遥かに好感持てる女性でした。
彼女がヒロインでいいよ!
玄野との絆を深め、最後まで足掻いた生き様は本作で唯一、胸打たれる名場面でした。

この他、おこりん坊星人編のチームメイトは全般に面白味のあるキャラ多し。
まるでゴルゴ13みたいな狙撃手・東郷十三さんが非常に頼れる。
敵がチートで無ければ彼が勝ってたのに…

快楽殺人組は非常に邪悪で胸くそ悪い。
特に少年の方は邪悪の権化、こいつは殺していいんじゃないかな。
「話せばわかる、彼はまだ少年なんだそ」と理想論振りかざす書店店長が…
非常にウザい。
すいません、彼が善人なのは分かる。でもこの期に及んで平和主義は不適切ですよ。
老婆と孫も善良な市民なのは分かりますが、正直ウザい。西君に賛同しちゃう♪
…すいませんね、私も結構性悪ですわー。

この他、全般的にクズばっかり。
一部に面白味のあるキャラは多く、キャラ層は結構厚いです。{/netabare}

投稿 : 2015/09/11
閲覧 : 443
サンキュー:

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