manabu3 さんの感想・評価
3.1
物語 : 2.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
平凡なSFアニメ映画
SFとしては平凡な脚本と設定だが、煩瑣な要素がない分、見やすいアニメといえる。
しかし、気軽に見られるSF作品としてはいいかもしれないが、どちらかというと平凡さが優っている。
内容については、電脳世界についての描写が少なく、主に言葉による説明でなされたのが残念だった。
セクシャルな表現
主人公の服装などに見られる中途半端で必要性を感じないセクシャルな表現は、商業上の理由に起因するのだろう。しかし、その要因により中身が薄っぺらな露出アニメに成り下がり、万人におすすめ出来るアニメとはいえなくなっている。
3つの異なる立場
物語の柱は、「電脳世界」・「地上世界」・「人工知能の世界」という3つの異なる立場を形容したことにあると思われる。主要人物も必要最低限でわかりやすく、また、それぞれの立場が語る価値観の交差は、ありきたりだが興味深くはあった。
(以下駄文と批評)
{netabare}とはいえ、話としては全体的に淡泊であった。その要因は、電脳世界の描写の少なさと言葉による説明の多さにある。例えば、主人公が述べた「高尚な悦楽」とは何なのだろうか。3つの異なる立場の中で「地上世界」に該当する視聴者としては、想像に難しい電脳世界の様子を、言葉ではなく映像で表現してほしかった。また、登場人物間の議論という形で電脳世界を描写したことに退屈さを感じた。大した世界描写もないのに、いきなり議論されても唖然とするだけである。
結局、本作における電脳空間=楽園は、競争社会を内包したディストピア的な管理社会であり、「楽園」というのは皮肉に他ならなかった。説教臭いディエゴの言葉にも一理あったが、明らかに楽園ではないのだから「だから何?」という感じでただ鬱陶しいだけだった。{/netabare}