「キルミーベイベー(TVアニメ動画)」

総合得点
73.1
感想・評価
1501
棚に入れた
6720
ランキング
1056
★★★★☆ 3.6 (1501)
物語
3.3
作画
3.4
声優
3.7
音楽
3.6
キャラ
3.8

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ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 3.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

メタ日常なる唯一無二の不思議空間

やすなとソーニャ、ちょっとおばかな女子高生と殺し屋女子高生をメインキャストに据えた、日常+バイオレンスギャグアニメ。

絵柄が面白そうだったので、見たい気持ちはあったのですが、暴力を含むコント(関西芸人などは特に)はかなり苦手だったので、長らくのあいだ視聴を嫌煙していた時期がありました。

結果的に言えば、以上の様な杞憂とは全くの無縁の内容でした。殺し屋のソーニャちゃんと、飽く事無き低級ないたずらを企てるやすなという二人の高校生(たまにあぎりさんという忍者の人も加わります。)が繰り広げる、ドタバタ、ハチャメチャ、度々シュールな夫婦漫才、とても面白かったです。

お話の展開は単純で、だいたい以下の2パターンに分けられます。

パターン1
1.やすながソーニャちゃんにいたずらを仕掛ける。
2.ソーニャちゃんからの報復を受ける、あるいは憤怒を買う。それだけ。

パターン2
1.やすながソーニャちゃんにいたずらを仕掛ける
2.ソーニャちゃん不覚を取る。
3.やすなが「引っかかってやんの~、やーい、やーい」と冷やかす
4.図らずもやすなが自爆する。それだけ‥。

上のパターン加えて、やすなの幼稚さに目線を一段下げて、ソーニャちゃんが諭そうとした所で、やすなが急反転、大人な態度に立ち返り、言葉で逆襲するというパターンも有ります。結果は案の定‥。

やすなはおばかな印象が大ですが、殺し屋のソーニャちゃんの事を深く心配している様で、仲良くなって彼女のかたくなな心を解こうとしている優しい印象もあり、どうしても憎めないキャラです。

それとこのやすなという子、ソーニャちゃんからの報復を受けたり、自爆したりで結構大変な目(腕の関節が外れるとかは軽い方)に遭うのですが、すぐに元通り(笑)とんでもなく丈夫です。多分バイオレンスなギャグというのはこういう超越的なキャラがいて始めて成り立つものなんでしょうね‥。生身の人がこのアニメで描かれるよりもずっとソフトな暴力に晒されているのを見ても、痛そうな印象と演者の苦笑い、手段の安直さだけが目立ってしまって、私は全然笑えません。

さておき、上述の様にワンパターン気味な展開が多いものの、胡散臭さ全開の忍者のあぎりさんやソーニャちゃんに敵対するヒットマン、没キャラ(※)など、他のキャラが絡んでくるエピソードもたくさんあり、それが良いスパイスとなっているので、暴力描写を俯瞰出来れば最後まで飽きずに視聴できる事と思います。

初見では、私的に妙にノリの悪いと感じられたテクノ調のOP、EDも、アニメーションの丁寧さも相まって、じわじわとやってくる魅力がありました。中毒性高し。

モブ全てを演じていらっしゃるチョーさんと※2新井里美さんの「エトセトラボーイ」と「エトセトラガール」、ナレーションの声もシュールでいい味出してます。さらにチョーさんによる次回予告の落語調の節回し、内容は意味不明ながら、流麗な語り口調に否応なく笑かされてしまいました。

作画に関しては、単純なキャラデザが功を奏してか、やすなもソーニャも良く動き、静止画の印象よりもはるかに魅力があります。くっついては離れないやすなの様な、何度も見返したくなる、そこはかとなくどうしようもない愉快なアニメでした。

それではっ! メタ日常と評価すべきか、ありえない描写もさらっと流し、何事もなかったかの様に日常描写に舞い戻る、唯一無二の不思議空間、心をらく~にしてお楽しみあれ。


※1:声を演ずるのは釘宮理恵さん。ぼっちでツンデレな感じなので、ぴったりな配役、でも出番が少ない上に毎度不遇な目に‥(涙)

※2:補足必要無いかもしれませんが、とある‥シリーズの黒子役とか、リゼロのベアトリス役とかで有名な方、独特の声色を持っておられる。

投稿 : 2016/08/23
閲覧 : 316
サンキュー:

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