朝霧麻衣 さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
表現の自由の権利を脅かされた社会
この作品の舞台は架空の日本となっています。
【あらすじ】
公序良俗を乱し、人権を侵害する表現を規制するため「メディア良化法」が制定された。これにより不適切とされる創作物は検閲の対象となり、これを妨害するものに対して武力行使も厭わないという激しいものだった。しかし、表現の自由を守るため公共図書館を中心として「図書館の自由法」を制定、独自の防衛組織を設立して武力で対抗した。
そんな抗争の真っ只中、図書隊に飛び込んだ女子隊員「笠原郁」の物語です。
【ストーリー】
あらすじにも書いた通り、かなり政治色の強い作品です。ですが主軸となるのは、図書館の自由を守ることに情熱を注ぐ笠原に立ちはだかる厳しい訓練と任務を通した本人の成長です。前半部分は戦闘シーンが多いですが、後半にかけては笠原が入隊時から指導を仰ぐ教官とのラブコメへと発展していきます。もし戦闘メインのストーリーを期待していた方がいましたら、あまり視聴をお勧めしません。反対にこの作品をラブコメとして視聴することが出来ればとても面白いと感じると思います。
【登場人物】
図書隊に入隊した新入りの「笠原郁」、その教官を中心として現場の指揮官等々情熱を持った熱血な人たちが数多く登場します。特に主人公となる笠原、訓練などでは男に混じってただの熱血馬鹿やっていますが、意外と乙女な部分があり、ベタですが良い味出してたと思います。
【音楽】
OPとEDどちらもとてもかっこいい曲でした。OPの高橋瞳さんは最近あまり聞かなくなっていたので、久しぶりに聞けて嬉しかったです。
【まとめ】
途中にも少し書きましたが、この作品はあくまで主人公の成長物語、ラブコメとして見ることが出来れば面白い作品だと思います。バトルメインの作品と勘違いすると、がっかりしてしまうかもしれませんのでご注意願います。
また、表現の自由の大切を題材にして、これから起こりうる架空の世界として描かれていますが、とてもメッセージ性に富んだ作品だったと思います。
【あとがき】
この作品では様々な書籍が検閲の対象となり、表現の自由が脅かされていました。私自身本をよく読むので感じたのですが、小さい頃に読んで感動した作品は大人になっても良く覚えているものです。あの登場人物みたいに色んな場所に行ってみたい、こういう風に生きてみたいとか自分の人生に様々な選択肢を与えてくれます。その機会を奪うことは決して許してはいけないことだと思います。表現の自由が認められている世の中がいつまでも続いて欲しいと願います。