「ラブライブ!The School Idol Movie(アニメ映画)」

総合得点
73.2
感想・評価
699
棚に入れた
3563
ランキング
1048
★★★★★ 4.1 (699)
物語
3.8
作画
4.2
声優
4.0
音楽
4.3
キャラ
4.2

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ネタバレ

雷撃隊 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 3.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

「時を巻き戻してみるかい?NO NO  今が最高」

映画館にて2回観賞。1回目は通常の上映回、2回目は主題歌シングルをゲットして歌を頭に叩き込んでから声援およびサイリュームOKの回。二次元キャラに向けてエールを送ったりライトを振るのは初めてだったのでいい経験だった。皆さんノリノリでもちろん僕もオモイキリ「にこっちー」「えりちー」「ほのかー」と叫んできたぞ。


映画の感想と共にわがラブライブ遍歴について振り返りたいと思います。

2010年から既にプロジェクトはスタートしていたがまだこの時点では存在すら知らなかった。TVアニメで初めて存在を知った。そんなわけで僕はアニメオンリーのにわかラブライバー。生粋ラブライバーとは畏れ多くて名乗れないので。

TV1期の時正直あまり良い印象を持たなかった。あーあ、サンライズもついにこうなっちゃったか、やれやれ、見てるこっちが恥かしくなると。しかし1話からかなり完成度が高くなんとなく気になった。で、芸能活動ではなく部活ものだった点に驚いた。全体のカラーはアイマスよりもむしろ「けいおん」に近くこの点も意外だった。真面目に一生懸命練習しつつも昭和のド根性路線とも違いのんびりマイペースな場面も沢山あり独特な空気感に引き込まれた。気がつけば「ノリと勢いで開き直った方が勝ち」という気分になっていた。好きなキャラはエリチ、理由は中の人が超電磁砲の南条愛乃さんだったから。次いでにこにー。程よく腹黒く少し残念な子で正直者集団のなかでいいスパイスになっていた。ラインハルト艦隊のオーベルシュタイン元帥みたいなものか(ちょっと違うかな?)。主人公穂乃果もカリスマ性がありリーダーの役目をしっかり果していた。ストーリーは先が見え見えのベタな展開ながらも良い意味でストレスゼロで素直に楽しめた。廃校を阻止しろ、メンバー集め、大会出場、目指せ優勝、卒業。

シリーズ通じて好かった点
スポ根部活モノでありながら題材が歌なので文科系の創作活動と融合していた。これは斬新。

μ’Sと学校の生徒達の繋がり、絆が感じられた。μ’Sを中心に学校が盛り上がってゆく過程が見ているこちらまで嬉しくなる。

「けいおん」でもテーマになっていたが在学中ならではの輝き。何れ終焉が訪れるモラトリアムだからこそ出来ることが確かにある。

社会人的な見方をすると大人になると磨り減ってしまう精神的な何かを刺激される。あそこまで無条件に心を一つに出来る瞬間は人生に何度あるのか・・・。この点に羨望を覚える。まさに「輝け、学生」である。

悪い点
潔いほど世界設定が語られない。スクールアイドルなるものがどんなものなのか曖昧なまま。ラブライブの大会がどのように運営されているのか謎だ。出版社やレコード会社すら出てこない。

本人たちの知らない間にグッズが売られていたりポスターが出回っていたり肖像権はどーなってる?

歌と振り付けはしっかりしているが演奏や舞台演出に関してはまるでスルー。ムダ話の翌週には曲とPVが完成していてこれは違和感がある。衣装や機材の資金その他の現実的な問題は一切語られない。

レギュラーに大人がいない。ことりママが申し分程度だけ。ポストさわ子先生がいれば大人目線が入りもっと説得力があったのに。
全体的にロジカルな部分が全てスルーされているのが悪いポイントだろう。

以上のように良い点、悪い点を含めて語り尽された感があった本作だが映画は良い落としどころの完結編だった。TV最終回から間髪入れずに続編なので27話といった印象。海外へ行くので「けいおん」と良い意味で被る。みんなで楽しく卒業旅行だ。カヨチンが白米の禁断症状が出るが激しく共感する。確かに海外行くと食事に飽きる。僕はたこ焼きと立ち食い蕎麦が恋しくなり苦しんだ経験があるので。
高山みなみさん、やはり穂乃果の未来の姿なのか?何所と無く「宇宙空母ギャラクティカ」のスターバック隊長の最期みたいで個人的には好き。
NYでのライブシーン、ビルの屋上なのでⅩ-JAPANのⅠⅤを思い出した。この曲、90年代のバンドブームを連想させる曲調でカッコイイ。映画館だとドラムとギターのサウンドが腹に響く。エリチセンターで南条さんが前面に出ているのでレールガン好きな人にもお薦め。

アキバに帰ると町中がμ’S一色に、にこちゃんの妄想が現実のものに!。まさか本当にグラサンかけて逃げ回ることになるとは・・・
エリチ、ここまでくると砕けたな。TV序盤の「みんなで押しかけたら悪いわよ」と言っていた常識人だった頃が懐かしい。すっかり周囲に汚染されたな(笑)。矢澤家が再び登場するのもナイスだ。

後半の気分は解散ライブだ。全国に向けてファイナルライブを行い最期に一発デカい花火を打ち上げる。ここにきてA-RIZEもようやくライバル兼戦友としての本領発揮だ。もっと早い段階でμ’Sと絡んで欲しかったけど。SUNNY DAY SONGのシーンでの「私たちは今、一つ」という煽りは思わず乗せられてしまう。突き抜けるような透明感と疾走感が心地良い。穂乃果から後輩たちへのメッセージの「今日は終わりの歌は唄いません」に心地良い切なさを感じる。μ’Sから後輩たちへのバトンタッチ、彼女達の成長を確かに感じた。

エピローグでのアリサたちのが下級生にμ’Sの歴史を語るシーン、そして流れる「僕たちはひとつの光」。「時を、巻き戻してみるかい?NO NO 今が最高」という歌詞にこれまた切なさと羨望が込み上げる。脱ぎ捨てられた練習着と誰も拾わなくなった羽に一つの時代の終焉を見届けた気分だ。μ’Sに心から「ありがとう、そしておめでとう」である。欲を言えば「センチメンタル・ステップ」という曲も挿入歌として使って欲しかった。「すれ違っても、判らないくらい、君も僕も大人に」という歌詞が今回の映画にぴったりなんだけど。


ちなみに我が音楽体験からすると人気絶頂の時期に解散というとBOOWYを思い出す。また期限の通りに解散というと聖飢魔Ⅱを思い出す。彼らは解散ライブで「もともと部活なので放課後の部室のような気分で活動して来た」と語っていたのが印象的。

μ’Sの物語は綺麗に着地した。ネクスト・ジェネレーションとしてサンシャインが始まるがラブライブの世界が「宇宙世紀」みたいになりそうで不安だ。興行収入が20億を突破したがサンシャインのハードルが上がりすぎている。気が付いたらμ’Sばかり見返してた、となりそうで怖い。できればこのまま「終わってしまって惜しい」という余韻を大切にしたいのだが・・・

日高のり子さん、高山みなみさん、井上喜久子さん、三石琴乃さん、我々の青春時代の声優さんがみんな重鎮扱いになってしまい自分が歳食ったなーと感じる。平成1ケタの頃は天道三姉妹+林原めぐみさんで劇中ボーカルユニット結成していたのが懐かしい。ちなみにサウンドプロデュースは川井憲次さんだった。ああ、青春は遠くなりけり・・・きっと青春が聞こえるどころの沙汰じゃないぞ(笑)。

投稿 : 2015/08/29
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サンキュー:

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