退会済のユーザー さんの感想・評価
4.2
物語 : 3.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
タイトルなし
【嵐を呼ぶシリーズ】の記念すべき一作目。
全体的に高いクオリティーを誇る本作だが、個人的には、いまいちに感じる点も無いこともなくて……。
コメディ色の色濃いパニック映画っぽい序盤~中盤にかけての展開は素晴らしく、中盤~終盤にかけてのアクション仮面vsパラダイスキングの死闘は手に汗握り目に涙溜める面白さ。本格的な肉弾戦は勿論のこと、アクション仮面の誇りとタマをかけた姿を大いに楽しませてもらった。
クレしんらしいギャグも健在で、TV本編でアイちゃんが登場したことで、まさお君の新たな一面がみられたのも嬉しい点。
ただ、後の【オトナ帝国】や【アッパレ戦国】に通ずる、強烈なメッセージ性がチラホラ見えてるが気になる。
本作において、その最たる例となるのが、ひまわりの制止シーンだ。
このシーンだけを切り取るなら感動的なのだが、ストーリーの流れでいえば、唐突感が半端ない。
例えば、ひまわりがシロと共にしんのすけを追っている時に何かしらの理由で猿に助けられたとか、そういう布石を用意しておけば、説得力はあった。
だけど、今までのクレしん映画の作風としても、ひまわりというキャラクターとしても、この制止シーンには首を傾げてしまう。
このシーンを挿まずにしんのすけのワタアメ装着シーンに繋げてもよかったんじゃないかなぁ。
パラダイスキングにしても、彼のキャラクター性は良いとしても、生活面でのリアリティーの欠如が気になる。
今までよりも「この作品はおバカなノリと設定を楽しむギャグ作品ですよ~」って感じが全然しない雰囲気のせいで、細かいところが気になってしまう。
タバコやダイナマイトを大量に所有できてるワケとか、塗料はどこから調達してきたんだとか、ツアー船が消息を絶ったら捜索で島の存在がすぐにバレて奴隷どころじゃないだろうにとか、パラダイスキングの目的と行動に、無理がありすぎる。
これは、リアリティー演出を重視して制作した弊害かも。いつものノリのクレしん映画なら、いくらでも融通が利いたろうし、そもそもこんなとこに野暮なツッコミもいれなかっただろう。
総じて、なんか惜しい作品。
パラダイスキング(大塚明夫さん)vsアクション仮面(玄田哲章さん)という構図は最高だったけどね。
だって、スティーブン・セガールvsシュワちゃんなんだぜ? これで楽しめない男なんていねーよ!