sekimayori さんの感想・評価
3.5
物語 : 2.5
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
なるほどTRIGGERじゃねーの 【56点】
2013年の文化庁若手アニメーター育成事業・アニメミライの一環で作られた、30分弱の短編です。
子供の頃見た魔女シャイニィシャリオに憧れ魔法学校に入学するもいいとこなしのアッコ。
なんだか頼りない先生のもと、居丈高なライバルと競って迷宮探検の授業に挑みます。
ストーリーは、冒頭の説明でネタバレタグ必要かもってくらい非常にシンプル。
落ちこぼれ魔女っ子のまっすぐ奮闘記です。
見るべきは、TRIGGERによる生き生きとした作画でしょう。
監督はエヴァの疾走シーンで有名なGINAX出身、現TRIGGER所属の吉成曜氏。
吉成兄弟の弟の方ですね(最近コミケで画集が出たらしい)。
まず惹きつけられるのはキャラの表情。
少しアメコミを思わせる、デフォルメ多めで特徴が強調されたキャラデザが愛くるしい。
顔の輪郭が伸び縮みし、赤くなったり青くなったり、これまた古き良きアメリカン・カートゥーン風の表情づけは、観ているだけで楽しくなります。
直喩過ぎて申し訳ないですが、同じTRIGGER制作キルラキルのマコのようなかわいらしい百面相を思い浮かべてもらえれば。
そしてもちろんアクションシーン。
魔女が杖を振るい、箒で空を飛ぶ。
モンスターが殴り、火を噴く。
にとどまらず、ずり落ち、引っかかり、急上昇、急降下、巨大化、溶解、カートゥーン風?の動きを入れつつ、多種多様なアクションを見せてくれます。
作画詳しくないけれど、とにかく躍動感に溢れていました。
wikiのリンクによると17000枚使ったそうな(30分アニメ1話の平均は確か4000枚~とか)
個人的にはオサレかつ不思議ちゃんストーリーなFLCLは当初苦手でしたが、ここまで萌え&燃えの融合方面に振ってシンプルな物語を展開してくれると、作画アニメでも初見から十分に楽しめました。
ガイナの系譜、TRIGGERの長所をしっかり感じられつつ、その系統が苦手な方でもイケるかも。
短いし。
失礼ながら傑作とは思わないけれど、単純明快なストーリーとキャラに命を吹き込む動きは、アニメの原点として30分間純粋に楽しませてくれるはず。
そろそろ続編映画が公開されるはずなので、まずはこちらを、コーラやポテチでも抱えて大画面で気楽に視聴してみては?
【個人的指標】 56点