N0TT0N さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
シビュラの自浄。
注)1期のネタバレあります。
面白かった。
1期同様、シビュラシステムに対するそれぞれのスタンスの違いによって起こる犯罪、監視、執行の様子が1つの大きな事件を軸に描かれていて最後まで楽しんで視聴できました。
元々ポテンシャルは高かったものの、主人公、常守朱の無双ぎみの成長ぶりにはぶったまげましたが、今回「聡明さ」の大幅なレベルアップと引き換えに「天真爛漫さ」が随分減っていたのが気になりました。
通常であれば「何かを得れば何かを失う」という意味で、順当すぎる「成長」だと思うんだけど、自分の中で朱の天真爛漫さは「色相を濁らせないための要素の1つ」だと思っているので、聡明さに偏って思いつめていく朱が色相を保っているという状態に違和感を感じる部分もありました。
あと正直、シビュラの犯罪係数の認証の基準や、執行官の自由度、公安の管理力のなさに「ん?」と思う部分もあったけど、シビュラという設定のどう転ぶか解らない危うさはまあ健在だったし、元々パラドクスやジレンマなどに興味があるので最後まで楽しめました。
※以下はシビュラシステムについて(個人用)です。(ネタバレ)
劇場版未視聴なので、それ用のおさらいメモとして。。
{netabare}
【ストレスと犯罪係数】
ちゃんとPP1と見比べた訳じゃないのでデータを比較しての結論じゃないけど、PP2ではストレス上昇=執行モードという印象があった。
しかもかなりあっさりと。
素人目にも「そいつただ恐怖でストレス値が上昇してるだけなんじゃね?」ってときもあっさりドミネーターに執行対象と認識されてしまう。
こうなると、ドミネーターの犯罪係数の計測能力に疑問を持たざるを得ない。
ストレスと犯罪係数をきちんと分類できてないシステムに裁きの権限を委ねるのはどう考えてもおかしい。
【適性】
政治家が出てきたんで疑問に思ったんだけど、
シビュラによる適性診断で職業が決まるということは、極論、政治家も適性によって振り分けられると言ってもいいかもしれない。
この社会に選挙は存在してるんだろうか?
選択をシステムに委ねるということは、つまりはそういうことになるんじゃないだろうか。
現に公安局のトップはシビュラ自身といってもいい状態だし、民意といってもシビュラに頼った選択をしている民意なんてもうシビュラの意思と言っても過言ではない。
【シビュラの自浄】
鹿矛囲との対峙でシビュラに自浄能力があることが解った。
まぁ、シビュラの生存本能からの自浄なのかシステムのアップデートを目的とした自浄なのか、どっちに比重があったのかは定かではないけど、シビュラ外の意見も組み込むことができるシステムであることが解った。
これはシステムとして重要な能力だと思うけど、サイコパスの高い脳を切り捨てることははたして是なのか?という疑問も無くはない。
つまり、これをやるとシビュラの多様性を失うことにならないんだろうか?ということなんだけど、
印象としては、シビュラ内の多数派脳が少数派脳を切り捨てた印象を受ける。
シビュラが少数派を切っていくシステムだとすると、人間社会にもそういう選民的な選択を奨励するのでは?という想像が脳裏をよぎる。
こうなるとシステムとしては破綻の方向に向かっている印象を持たざるを得ない。
【集団的サイコパス】
つまり、鹿矛囲のような多体移植などのイレギュラーな存在とシビュラという集合体、そして集団を裁くためのシステム。
まず、集団の定義がよく解らないんだけど、これは多分バラバラの場所に居る志が同じ人達ではなく、同じ場所に居るサイコパスの高い人達という解釈でいいんでしょうか?前者はかなり危険な思想の匂いがするけど、後者は単にシビュラのフラグ立てな感じがしなくもないな。朱はこのシステム推してるみたいだけど今一つピンとこない。
どちらかというと自分も、
朱‥きみ、パンドラの箱を開けたんじゃないんかい?という印象です。
最後に、
常守朱のサイコパスはやっぱり謎だな。
「あなた個人の見解はどうでもいいといってるの!東金美佐子!!」
は、なかなかの名言だったな(*´∀`)。。
{/netabare}