ようす さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
「誰かを守りたいという気持ちは、人を強くする。私はそう信じている。」
由緒ある家柄が絡む、ちょっと重たい空気の世界と、
ボロアパートの、決して裕福ではないけれど笑いの絶えない世界と。
片山憲太郎(「電波的な彼女」と同作者)によるラノベを原作とするアニメ。
全12話です。
● ストーリー
「揉め事処理屋」という闇アルバイトをしている
高校生・紅真九郎(くれない しんくろう)。
真九郎の住む五月雨荘(さみだれそう)に連れてこられたのは、
九鳳院紫(くほういん むらさき)という7歳の少女だった。
大財閥・九鳳院家の令嬢ゆえ、世間知らずなところが多い少女と、
一人暮らしで苦労が多い男子高校生が、
少しずつ絆を深め、運命に抗っていく物語。
1話からぐいぐい話が展開していくので、
必死に観ないと置いて行かれそうでした。
紫がアパートに馴染んでいく様子が描かれた後は、
しばらく平和な日常が続きます。
初め数話は重い空気を感じていたのに、
話数を重ねるたびに陽気でやりたい放題になっていく展開には、
思わず「この作品がわからない…。」と頭を抱えてしまいましたww
(主にミュージカル回wwww)
とある出来事をきっかけに物語は再び重苦しい雰囲気に戻るので、
ご安心を。笑
九鳳院家の裏側については、ちらほらと登場しますが、
後半になるまで詳しいことはほとんどわかりません。
もう少し早い段階で詳しいことがわかれば、
ストーリーにもっと感情移入できたように思うので、ちょっと残念です。
「なぜ昔からのしきたりってこうも異常なのかしら…。」
と思うような九鳳院家の裏側にはぞっとしますね。
これでも原作と設定を少し変え、柔らかくしているみたいですけれど。
物にも暮らしにも不自由はしないけれど、しきたりに縛られる九鳳院家。
物にも暮らしにも不自由ばかりだけれど、賑やかで自由な五月雨荘。
人は自分の居場所を簡単に変えることはできない。
だからこそ、その場所で「どう生きるのが幸せなのか」を
探し続けることが必要になるのだなあ。
人物たちを観ていると、そんなことを考えさせられました。
● キャラクター
この作品で注目すべきは、なんと言っても紫でしょう。
世間知らずでわがままなところは苦手ですが、
やはり子どもの天使のような明るさには癒されます(*´ω`*)
自分の運命を知り、受け入れ、戦おうとする姿は
どう考えてもスーパー7歳児なのですが(笑)、
そこはフィクションとして受け入れましょう。笑
ちなみに、紫を演じているのは悠木碧さん。
紫が初めてのヒロイン役だそうです。
7歳の女の子を等身大に演じられていて、
この頃から演技がお上手だったんだなーと聞き惚れてました^^
もう一人、この作品の主人公である真九郎(cv.沢城みゆき)。
面倒見が良くて、
困っている人を放っておけない世話焼きくんです。
見た目はかっこいいけれど、
臭い設定なのが残念ですwww
揉め事処理屋は力づくの解決が多いため、
殴る蹴るの暴力シーンも多いです。
苦手な人はご注意を。
● 音楽
【 OP「Love Jump」/ 栗林みな実 】
別作品かと焦るほど、
曲も映像も作品とはずいぶんテイストの違うOP。
曲自体は好きですよ♪
栗林さん好きだし^^
【 ED「crossing days」/ 新谷良子 】
こちらも作品の雰囲気とは異なり、
目の前が開けるような明るい曲。
テンポが心地よくて、こちらも好きです♪
8話だけカップリング曲の「手のひらの太陽」が使用されますが、
ストーリーとつながりがあるわけでもないし、
なぜ8話だけ違う曲が使用されたのか謎です。笑
● まとめ
ストーリーはつまらなくないし、
構成や設定もしっかりとしています。
ただ、個人的に好きかどうかと問われると微妙なところです。
紫の子どもらしさと、五月雨荘の明るい雰囲気は好きでしたが、
家柄の絡む重い展開は心にずっしりときました。
自分の好みには合わなかった…と言わざるを得ません^^;
物静かな雰囲気や、
ちょっと重めのストーリーが好きな人にはいいのかもしれません。