「機動戦士Zガンダム 星の鼓動は愛(アニメ映画)」

総合得点
60.6
感想・評価
117
棚に入れた
759
ランキング
5812
★★★★☆ 3.5 (117)
物語
3.5
作画
3.4
声優
3.6
音楽
3.5
キャラ
3.6

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ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 2.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

タイトルなし

初見で一番衝撃が大きかったシーンと言えば、本作でのみ使用された【ビームコンフューズ】なるテクニックだろう。
ビームサーベルを放り投げ、回転しているサーベルに向かってビームを当てることで、ビームを拡散させてファンネルを駆逐するという荒業……富野の頭の中はどうなってんの? 天才なの?
こういうとんでもないシーンを、溜めも作らず挿し込んでくるんだから、最高だよな。

ただし、肝心の内容の方はといえば……なんとも微妙。
TV本編での結末といえば、カミーユが飛行形態となったZガンダムでシロッコに突撃し、そのまま死人に引っ張られてしまうという壮絶な最後で幕を閉じた。
それに比べて本作では、シロッコに突撃後、Zガンダムは人の形に戻り、カミーユはファと抱き合って生身の感触に強く生を感じ、喜びを語るという、TV版とは似て非なるハッピーエンドだ。
このシーンだけを切り取れば感動的なラストで、評価も高くなろうというもの。

……が、残念なことに、いまひとつこのシーンまでがしっくりこない。
この直前にシロッコとハマーンの両者に対してカミーユが思いの丈をぶつけるシーンがあるのだけど、ここもまた、TV本編とはその内容に大きな違いがある。
TV本編でのセリフは「本当に排除しなければならないのは、地球の重力に魂を引かれた人達だろう! でも、その為に沢山の人が死ぬのは間違ってる!」
ここではカミーユは、ティターンズを含む地球至上主義者の存在を否定するのと同時に、シロッコやハマーンの思想も否定している。

ところが、劇場版のセリフはこうだ。

「本当に排除しなければならないのは、地球の重さと大きさを想像できない、貴方達です!」

このセリフ、一見するとティターンズのような思想の者達をスルーしちゃってる。「え、じゃあお前はなんでティターンズと戦ってるの?」という疑問が、この終盤にて視聴者の中に生まれかねない。
カミーユの主張としては断然、TV本編の方がしっくりこないだろうか。
ベストだと思うのは「本当に排除しなければならないのは、地球の重さと大きさを想像できない、貴方達や、ティターンズのような存在だ!」
こんな感じのセリフかなー。ティターンズもまた、地球の重さと大きさを想像できない連中なのは間違いないのだし。


最後の抱擁にしても、カミーユが現実に戻ってこれた理由がハッキリしない。
なにせ、宇宙空間で無意識にバイザーを上げるシーンはTV版そのままなのだもの。
ここから、死人のフォウよりもファの方へと戻ってくるだけの描写は、なかったように思えてならない。
しかもこの新訳では、対人関係が比較的上手くいってるだけに、関わりのあった人物の死は、TV版以上のショックがあったはず。現実に戻ってくる動機と理由が、圧倒的に不足している。


これを観るなら、TV版を視聴する前がベストなんだろうなぁ……。

投稿 : 2015/08/20
閲覧 : 270

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