退会済のユーザー さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
タイトルなし
コナンシリーズではおそらく、異色に分類されるであろう作品。
これまでのコナンと違い、本作では殺人犯が最初から分かった状態で物語が進行するのだ。
そうなってくると、視聴側としては見方も当然変わってくる。
基本的にコナンの映画は、正体の分からない犯人に襲われながら推理を重ねていく。
しかし、今回は正体が(視聴者に)分かっているので、コナンが犯人を追いつめていくのをハラハラしながら観ていく作品になるのだろう……というのが僕の予想だったのだけど、いざ観てみると予想から大きく外れた内容だった。
現実の事件の手がかりを求めて、バーチャルゲームの世界に飛び込んで謎解きを繰り広げる……というプロットが、正直、ほとんど活かされていなかったように思う。
コナンはJTRの答えを求めにゲームの世界に入ったのに、肝心の事件は父親があっさり解決してしまったし、終始、これまでのコナン映画にはなかった【強いテーマ性とメッセージ性】を描くのは結構なことだけど、ストーリーとしての面白さは微妙と言わざるをえない。
現実の問題を取り上げ、そこにコナン特有のアクション性を合わせてSF色に仕上げているものの、そのどれもがきちんと昇華できているとは言い難い。
昔は、劇場シリーズの中でも抜きんでてこの作品が好きだったんだけど、改めて観てみると、結構粗が目立って見えてしまった。
そもそも、何故コナンがヒロキ君のことを知ってるんだよ、とか、切り裂きジャックの子孫とかそれラスプーチンでやりましたやん、とか……なんか、いつものコナンに慣れていると、盛り上がりに欠けていたかなぁ……。
ロンドンでの謎解きやモリアーティ教授との接触といった、場面場面の面白さはしっかりあるだけに繋がった面白さに欠けているのが非常に残念。