生来必殺 さんの感想・評価

4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態：観終わった

非常に残念な気持ちが溢れ・・・

期待のサイコパス劇場版を見終えて、レビューを書くにあたり
まずは非常に残念な心持で一杯な自分がいることを自白しなければならない。
以下酷評レビュー炸裂しまっくてるので閲覧は自己責任で宜しく願います！
サイバーパンク作品につきヘアスタイルはモヒカン状態というくらい棘があるかも？
{netabare}
攻殻シリーズの酷評レビュー連発につき、サイコパスより攻殻好きな人は閲覧自重願います。
{netabare}
正直「楽園追放」も凄かったが、サイコパス劇場版は更に凄くて別格だった・・・
おかげで、サイバーパンクとしてそれなりに努力の成果が見えたイノセンスが
霞んで見えるほど本作のサイバーパンクとしての表現力が他を超越しすぎている。
（とは言え、イノセンスは駄作では全然ないし、押井監督の独自の個性が光る
とても魅力的でそれなりにとても楽しめる作品であることに疑いようはないが）
１期と２期、そして本作劇場版の総体として表現されたサイバーパンクの世界観
その完成度は過去最高のクオリティーと言っても過言ではない。
制作陣営の宣言どおり攻殻機動隊を軽く超越してしまったわけだ。（サイバーパンク作品としては）

攻殻GITSのメスゴリラ無双の表現はパンクな主人公としても的確でよかったのだけれど
如何せんシステム論的視野が浅はか、もしくは描写不足の状況で、メスゴリラ化しても
見る人には主人公の心情が伝わらない？可能性がかなり濃厚だったように思える。
（敢えて書くことじゃないかもだが、本作に比べると攻殻sacの政治劇描写
〔特に２期は〕あまりにステレオタイプ過ぎ、安っぽ過ぎて困惑した）

それに比べると、劇場版公開前の２期でシステム論の穴埋め的補強をわざわざ
しつこいくらいにやった成果が本作で見事に開花、狙い通り過ぎて軽く驚愕を覚える。

もの凄くベタな話だが、２期の霜月監視官と宜野座執行官が駄目駄目すぎるのは
「覚醒するため」の「意図的設定」だというのはお約束すぎる確定事項なのだが、
特に２期の霜月監視官を熱心に叩いているお約束知らず人が意外に多くて
苦笑せざるを得えず。
だが、実際本作で予想の上を行き過ぎている霜月＆宜野座の両名の覚醒を
目の当たりにしたら、喜びに堪え切れず笑い声を抑えることができないくらいに、
歓喜のカタルシス全開！脳内麻薬出まくり状態！に陥った。

槙島の効果的運用を例の存在感ある教授の口から言わせるあたり
恐るべしというか、この脚本家の表現力が他を軽く圧倒してるのは疑いようがない。
（そしてネタバレ・・・{netabare}
槙島ネタでサイバーパンクの仕組みをあっさり暴露？
もしかして他のサイバーパンク作品を潰しに行ってるような、
サイバーパンクの手品の種明かしとか同業者にとっては迷惑千万なのだが、
パンクな作品の都合上、尖ってないとならないのは宿命でもあり。
本作で完全燃焼しようという製作者の意思表示であるのかもしれない。{/netabare}）

戦闘シーンが凄いという前評判に一抹の不安を覚えたが、
シビュラシステムという設定の中でのおまけとしてのアクションだったので
サイバネティック的小道具を扱っているだけで自己満足してる安っぽいSF作品の
二の舞にならなくて本当に良かったと視聴後にホッと胸を撫で下ろす自分が
いたりするのも事実ではある。

こんなことは言いたくなかったのだが、本作シリーズの総体の完成度に比べたら
それなりの完成度を誇っていたイノセンスは今一歩作品と言わざるを得ない
のは、非常に残念である・・・
{/netabare}
{/netabare}