「Fate/Zero - フェイトゼロ(TVアニメ動画)」

総合得点
91.3
感想・評価
6205
棚に入れた
28555
ランキング
36
★★★★★ 4.2 (6205)
物語
4.2
作画
4.4
声優
4.1
音楽
4.2
キャラ
4.2

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あしすと さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

アニメの必然性がある作品としての最高傑作

この作品に対する感想は、

「作品がアニメとして制作される必然性を考慮した場合における最高傑作」
※ただし、その要素は私個人的には優先したい要素ではないので、☆の評価ほどお気に入り作品ということではない

…という感じです。



どんなアニメが好きかというのは千差万別、人によってそれぞれ違うと思うのですが、
「アニメオタクに受ける作品」
「ライト層に受ける作品」
「一般層に薦められる作品」
…のすべてを満たす作品というのは意外に難しいと思います。


自分が思うに、それらを満たすアニメ作品の要素は以下の3点です。

①作画が綺麗なこと
②特定の層に媚びていないこと、つまり硬派なストーリーであること
③アニメとして制作する必然性があるストーリーであること


まず、①の作画。
まぁこれは言わずもがなでしょう(笑)

1クールに10本以上視聴するアニメオタクなら作画はアニメを構成する要素の一つでしかないという考え方もできますが、1クール数本のライト層や普段アニメを見ない一般層にも見てもらうためには、顔が崩れてしまったり動きがカクカクしてしまっては致命的ですよね。

その点、このFate/Zeroの作画は既存作品と比べると圧倒的ですよね。

自分は作画技術についてはまったく知らないので専門的なことは言えませんが、まぁこれについては特に戦闘シーンを一度見てみれば素人でもその違いに圧倒されるレベルだと思います。



次に、②。媚びないこと。要は硬派な作品であること。

アニメ業界も円盤売り上げが伸びないことにはどうしようもないでしょうから、ここ数年は一昔前よりも「媚びる」作品が明らかに増えた気がしますよね。

・ストーリーに関わらず、萌え絵による可愛い女の子
・おっぱいやパンチラなどのエロ描写、もっと言えば通常放送ではエロ部分を規制しての円盤でのエロ解禁
・イケメンキャラ多数登場、中の人にはイケメン声優を起用しての女性視聴者の取り込み

…あたりでしょうか。

まぁ、制作側としては一般層を取り込んで少しでも視聴率を上げるよりも、視聴率が下がってでもズブズブのファンを増やして円盤を売るほうが良いのでしょうから、それは別に悪いことではないと思います。

というか、自分はエロはまだしも「萌え」のほうは大好物のアニオタなので、そういう作品が減ったりしたら困りますし(笑)


しかしそんな中、このFate/Zeroは超硬派な作品です。

6陣営のマスター、みんなクセありすぎ!(笑)
6陣営中4陣営が黒幕感がある大物って!(笑)

その4陣営のうち、誰がラスボスなのか分からない展開が超硬派で「遊び」がないですよね。

また、黒幕感はない残りの2陣営ですが、ライダー陣営のウェイバー君が実質的主人公ポジションというのも上手い。

主役のセイバー陣営が黒幕感がある手練れですから、一般的にイマイチ応援したくなるキャラではないと思いますが、その受け皿として分かりやすい少年誌的主人公ポジを1陣営に割り振ったというのは本当に巧みだと思います。

黒幕感がある手練れ4陣営の思惑の絡み合いと、それに絡む少年誌的なキャラという展開は、特定の層に媚びることのない絶妙な設定です。


それに「媚びない」という面で言えば、女性登場キャラが全然「かわいく」描かれなかったですしね。

まともなレギュラー女性キャラはセイバー陣営の3名くらいでしたが、見事なまでにサービスなし。
いや、露骨なエロやお風呂回がなかったいう意味だけでなく、表情やしぐさでデレたりする部分すら一切なしw

それが良い悪いということではなく、そういう構成になっていることが、自分がこの作品を「特定のそうに媚びない超硬派な作品」だと思っている理由です。



そして最後の③、アニメである必然性。
結論から言えば、剣やら魔法やらで戦う展開があること、です。

私は、やっぱりアニメを見るならアニメらしい演出があったほうが必然性があると感じるタイプです。
実写での制作でも同じくらい面白い作品が作れるなら、それは「アニメである必然性はない」作品だと思います。

作品名を出してしまいますが、例えば「氷菓」。
これも①②を満たす硬派な名作だと思いますが、ぶっちゃけ実写でも面白くできないことはない思うんです。
(だからといって、安易に若手俳優を使った実写ドラマを作ってほしいというわけではありません)

でも、Fate/Zeroは実写化したら面白くならないと思います。
なぜなら、剣や魔法の実写化はどうしても滑稽になってしまうから。
剣やら魔法やら特殊能力やらの実写化は、スターウォーズクラスの製作費と制作環境があって初めて面白い作品を作れるのではないでしょうか。






…という3点が、自分がこの作品を「アニメとしての最高傑作」と考える理由です。
アニメを全く見たことのない人にお薦めできるアニメとして、真っ先に浮かぶ作品の一つです。


まぁだからといって、個人的に大好きな作品というわけではないんですけどね(笑)
萌え要素が好きな自分にとっては終始一貫して硬派すぎました(笑)


このFate/Zeroとの自分の印象の対比として、「Fate/stay night 2014-15」のレビューもそのうち書こうと思っているので、もし宜しければその際にはそちらもご覧くださいm(_ _)m

投稿 : 2015/08/09
閲覧 : 248
サンキュー:

9

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