どらむろ さんの感想・評価

4.0
物語 : 5.0 作画 : 3.5 声優 : 4.5 音楽 : 2.0 キャラ : 5.0 状態：観終わった

最強狙撃手が無双する不朽の名作。一話完結の群像劇としても最高水準！

日本の漫画史上最強狙撃手として知らぬ者はまず居ないであろう、ゴルゴ13(サーティーン)の完璧な仕事ぶりを全50話でアニメ化しています。
舞台が(アニメ放送当時の)2008年になっていて、現代的です。
舘ひろし演じるゴルゴの神掛かった完璧超人ぶりは凄まじい！

1話完結方式で、多岐に渡るミッションや人物ドラマあるので全50話全く飽きさせない面白さでした。
…主題歌がダメなのを除けば、不朽の名作に相応しいアニメです。
※あにこれ採点方式の関係で平均点下がってますが、「物語」と「キャラ」は最高です！
実質、5点満点に近い名作だと思ってます。

{netabare}『物語』
謎の東洋人「デューク東郷」コードネーム「ゴルゴ13」
機械の如き完璧さで依頼料300万ドルさえ払えば、いかなる対象すらも確実に闇に葬る！
本作は主人公はゴルゴですが、毎話、ゴルゴの依頼人や殺害対象や警察などの関係する登場人物たちが「いかにゴルゴに依頼しようか」「いかにゴルゴに対抗しようか」がんばる展開が主流です。
「流石はゴルゴ13…！」と周囲が驚愕したり褒めたりする事多いので、結構な俺強え系ですｗ

1話完結の時間配分が、本作の特徴示しています。
約23分間の尺で、実際にゴルゴがアクション起こすのはラスト数分の一瞬！
という展開も多かったり。
(えっ…もうすぐ話終わるぞ？尺大丈夫か…？……あっ！ゴルゴがここで殺った！？)と驚きます。
そのラスト間際に至るまでの、ゴルゴに関わった人物たちのドラマこそが見所です。
その過程での人間ドラマは1話完結にしては完璧です。
時にマフィアだったり、時にワイン醸造主だったり、時に国家規模の敵だったり、バリエーションは抜群です。
困難な依頼を達成する前準備で20分近く費やし、最後の一瞬で決着付くケースでも、ゴルゴの職人芸の凄まじさで気が抜けない！

本当に、全50話の中に、つまらないエピソードが一つも無い。
人物ドラマも、依頼のシチュエーションも、どちらもバリエーション豊富なのがゴルゴの魅力でしょうか
時に凄まじい銃撃戦あったり(3話傑作・アサルトライフル、16話死臭の聖者、21話ガリンペイロ、44話ロックフォードの野望、49話装甲兵SDR2)
かと思えば
不可能に近い刹那のラスト一瞬で必殺する話(8話動作（アクション）・24分の4、45話36000秒分の1秒)
があったり、時に激しく時に不動。完璧なる殺人職人の神業が光る！
…とにかく凄まじいです。
単純に戦闘力だけでなく、完璧に仕事をする執念が。
「真のターゲットが意外な人物」系の話も、アッと意表突かれるので特に面白かったです(エピソード名挙げるとネタバレに)

7話G線上の狙撃、33話誇り高き葡萄酒みたいな欧米の差別意識題材の話など、社会情勢系のエピソードも見所多し。
その一方で、20話メランコリー・夏（サマー）のような、女性が関わる切ないエピソードも余韻があって深い。

…とにかく全話が圧倒的に面白いです。50話視聴が苦にならない。

『作画』
劇画調の作画は安定感あり。銃撃シーンも狙撃の一瞬もバッチリ。
女性達とのベッドシーンは、声優さんの音声だけでお楽しみくださいｗ
全く不満は無いのですが、背景も含めて良作画かは微妙かも。
でも本作の価値は全く下げてないです。

『声優』
ゴルゴ13を本職ではない舘ひろしさんが好演。
声優としては上手いワケではないが、ゴルゴあまり喋らないのでｗ
今となっては「ゴルゴといえば舘ひろしさん」で脳内再生される位にハマリ役でした。

この他の配役がいぶし銀の渋いベテラン多く、非常に豪華です。
16話死臭の聖者のカルト指導者の池田秀一さんは最高に胡散臭かった♪
ゲストの女性キャラの配役も豪華。ベテラン女性声優のエロい喘ぎ声がいい♪
千田光男さんの次回予告も良かった。
49話「装甲兵SDR2」でテンパりまくるモブ兵士に、細谷佳正さんが。
これはオイル漏れてましたねｗ

『音楽』
主題歌がイマイチ主題と無関係なのが残念。ゴルゴ関係ないだろこれ…
いや、曲自体は結構好きで、時々カラオケで歌ったりするんですけどね。
特に前半OPは結構好き。後半はダメ。まあ前半も主題歌としてはダメですが。
前半のEDは、ゴルゴと関わった女性たちのテーマ…という解釈もまだ出来るかも。
…この項目のせいで、平均点下がってしまった。

BGMは中々良い点は評価。
毎話ラストで仕事終えて颯爽と立ち去るシーンのBGMカッコイイ♪


『キャラ』
日本の漫画キャラクターの中でも最強ヒーローの一角、ゴルゴ13。
どこぞのお兄様もビックリの無双っぷり。
単に強いだけでなく、綿密な下準備や驚異の精神力や洞察力など、無敵に説得力がハンパ無いです。
…感情の無い冷徹な殺人マシーンなイメージですが、完璧な仕事人な一方で、幼い子供を助ける為に危険を冒したエピソードも。
女性に対しては危険な男ながら無機質では無い反応見せたり、でも仕事を見られたら無慈悲に殺したり、完璧さと男らしさ同居しているスーパーヒーロー。
どんな状況にも揺らがぬ彼の代わりに周囲の人物が右往左往してくれる為、ますますゴルゴの存在感が際立つ構図。

本作はゴルゴはラスボスポジで、ゲストキャラが毎話の主人公として頑張る感じ。
各話に魅力溢れるキャラクター層は厚い。
7話G線上の狙撃のロシア人ヴァオリニスト、50話天使と悪魔の腕の中国系天才外科医など、ゴルゴに通じる誇り高き仕事人たちもカッコイイ。
警察官で誇りと命をかけてゴルゴに挑む男達の意地など、「各話全員か主人公格」とすら言えるのが本作の凄い所です。{/netabare}