退会済のユーザー さんの感想・評価
3.2
物語 : 2.0
作画 : 5.0
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 2.0
状態:観終わった
タイトルなし
この作品、何をやっているのかというと、描かれているのはひたすら男のくっだらないロマン。
かつて思い描いた夢なんてすっかり忘れてしまって、ただ惰性に生きる男、シロツグはある日、宇宙にあがるという夢を持つようになる。その動機というのが、ちょっと可愛い女性から良いように思われたいからという、しょうもないものだった。
だが、このしょうもなさが良いんだ。
誰からも必要とされず、誰も求めていない。自分だけの夢に向かって、主人公ら王立宇宙軍の野郎どもは頑張る。
インタビュアーに宇宙にあがる使命は何かと問われ、シロツグは答えられなかった。それも当然。
シロツグの夢は彼の、彼らだけの夢であり、誰かに答えるものでも、応えるものでもない。
ただ、自分たちの存在を証明したい。自分たちは意味のない存在じゃないんだと、ちっぽけなプライドと見栄を原動力に、男が足掻く。なんだかまるで、制作陣の心境をそのまま表現しているかのように感じられるこのお話は、やや賛否が分かれる原因かもしれないね。
まぁ褒めるのはここまで。他にも作画の良さとかがあるんですけど、それはまぁ観てもらったら分かると思うので書きません。(評価にはきちんと反映させています)
さて問題は、ここでもガイナックスの悪いところというか、作品としての粗の悪さが目立つということだ。
まず、キャラや世界観のブレが半端ねぇ。
例えば分かりやすいところでいくと、シロツグの強姦未遂。これ、やる必要がまったくなよね。
いや、言いたいことは分かる。インタビュアーからの質問に答えられず、自分が宇宙を目指す理由が分からなくなってしまった彼が、女性を求めるのは至極当然の心境だろう。元々宇宙を目指すきっかけになったのが、リイクニへの見栄からなんですし。
ただ、流れがあまりにも突然すぎる。それに、別にシロツグに自分の夢を再確認させたいのであれば、わざわざこんなことをしなくともリイクニとの会話だけで出来ることなんだし。
それと、世界観。宇宙軍って誰からも見向きもされないような組織だったのに、いきなりお話の中心になってしまっていて焦る。終盤の展開に持っていきたいが為の処置であることは分かるけど、それなら別に、ロケット完成間近になってとうとう国民の暴動に折れた政府が開発中止なり発射中止を命じれば良いだけじゃん。
途中から政府の陰謀とか他国の存在がちらついていkたりと変にお話が大きくなりすぎて何がなんだか……。
決して悪い作品ではないものの、二時間という時間を考えると手が伸びにくいもどかしい作品。
全体的に、痒いところに手が届いていない。