退会済のユーザー さんの感想・評価
3.2
物語 : 1.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
タイトルなし
ドラゴンボールの劇場版といえばブロリー、みたいな認識は、僕のような俄かにもある。
さぞ強烈なキャラクターなのだろうと思っていたのだが、いざ視聴してみれば肩透かしもいいところだった……。
他の劇場版でも言えることではあるけど、本作もその例に洩れず、脚本が雑。
とくに本作は、脚本家がどういう気持ちでお話を書いたのかが透けて見えるのだ。
つまり「うひょぉぉぉブロリーすげぇ!! 俺、めっちゃ良いキャラ作ったんじゃね!?」って自画自賛しながら書いたんだろう。
そして深刻なのが、脚本家の中でブロリー>悟空の図式がしっかり出来上がってしまっている点だ。たぶん、この人の頭の中では、悟空の元気玉でさえブロリーには通じない。だから、その倒し方はテキトーと言われても仕方のないお粗末なものでしかない。
ブロリーと敵対するということは、脚本家にとってひどく馬鹿馬鹿しいことなのだろう。
だから、本作では絶望感を煽るような演出はせず、クリリンや亀仙人を用いたギャグを多用している。コメディリリーフではなく、コメディなのだ。
仮に、上記のコメディさえなければ、それはもう圧倒的な絶望感を演出することは出来たはずだし、悟空の、空気を読んでいないかのような能天気ともとれるセリフにも、諦めの心境を匂わせることだって出来たはず。
そうしなかったせいもあって、本作はセリフすらも陳腐。ブロリーというバグキャラを生み出したはいいものの、それを作品の中に巧く溶け込ませようという気概はまるで感じられず、バグキャラをそのままポンと放り込んだせいで、その他もろもろまでバグってしまった。
絶対的に不利な状況のはずなのに、まるで盛り上がることもなく、ただ延々と悟空らが嬲られるだけ。70分という尺を考えた脚本ではなかった。前半の退屈感も半端じゃない。
ブロリーというキャラクターを生み出したという功績がなければ、正直に言って、評価できる点が見当たらない。というか、ブロリーというキャラクターをもってしても、もう一度観ようって気にはならない。70分かけてこの虚無感を味わうぐらいなら、デジモン映画二本観る方が遥かに良い。
あにこれの採点にのっとれば、それほど悪くない点数になってるけど、気持ちとしては2.4ぐらい。