アリア社長 さんの感想・評価
4.5
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
アニメって言うのはなぁ!アニメって言うのはなぁ!
アニメって言うのは監督とか作画班とか制作進行とか声優とか、他数知れないたくさんの人間が命削って創りだす血と汗の結晶なんだよおおおおおおおおおおおお!!!!!
【概要】
・アニメーション業界を描いたお仕事アニメ。全24話。
・制作会社は「花咲くいろは」「TARI TARI」「凪のあすから」などを作った『P.A.WORKS』
・監督は「ガールズ&パンツァー」「侵略!イカ娘」「Another」などの監督を務めた水島努
・キャッチコピーは「アニメーション業界の今が、ここにある。」
・アニメ業界人の受けが良く、また円盤(Blu-ray&DVD)も大ヒットを飛ばし、水島努は今最もホットな監督の一人に(PA社長いわく監督は何年も先まで仕事の予約が埋まってるとのこと)
【感想】
アニメーション制作ってめちゃくちゃ大変!だけど面白い!
水島努監督のアニメに対する熱い思いが十二分に伝わりました!
笑いあり、涙あり、感動ありの名作!
以下特に良かった点3つ
①お仕事アニメにとどまらない人生アニメ
このアニメはアニメ制作の仕事運びと、アニメ業界の厳しい現実がリアルに描かれています。
アニメが出来るまでの過程が詳細に分かり、それだけでそこそこ面白いです。
ただそれだけだったら業界人のウケが良かった「隠れた名作」止まりで、大ヒットを飛ばすほどの人気は出なかったと思います。
このアニメがなぜヒットしたかと言うと、単なる業界モノアニメで終わらず、人の仕事観・人生観にまで踏み込んだ作品に仕上がっているからだと思います。
このアニメの登場人物の何人かは自分の仕事の、そして自分の人生のあり方に疑問を持ってます。
「自分はなんでこの仕事を続けてるんだろう?」
「自分はこのまま夢を追いかけてて大丈夫なんだろうか?」
「自分が本当にやりたいことって何だろう?」
色んな登場人物が色んな人生の岐路に立ち、色んな選択をします。
このアニメでは全ての人がそれぞれ自分の人生の主人公であり、人生でどういう選択をするか・したかという登場人物一人ひとりの生き方・生き様が丁寧に描かれてます。
単なる業界アニメではなく自分の人生のあり方を探す物語。そこに自分は感動しました。
②技巧的なシナリオ運びの上手さとそれに負けないアニメに対する熱い気持ちで構成されたアニメ
このアニメはシナリオ運びが非常に上手だと感じました。
「ここでこのキャラ登場させるか~」とか「ここでこの演出は憎い!」といったアニメの盛り上げ方をよく分かってらっしゃる!と思わせるような技巧的な上手さを感じます。
ただそこに狙いすぎというやらしさは感じません。
なぜなら見せ方のうまさの上にちゃんとアニメに対する熱い気持ちも乗っかっているから。
アニメを面白くしたい!そこに妥協は許さない!
作中でも語られるのですが、そういうアニメ制作に対する姿勢はちゃんと視聴者に伝わるんだなって見てて思いました。
③リアルとフィクションが上手いこと混ざり合ったアニメ
このアニメ1話を見て最初に思ったのが、別にこの作品アニメじゃなくてもよくない?って事。
むしろ実写の方がアニメ業界をリアルに描けるし、このアニメからアニメならではの面白さを全く感じないんだが・・・という辛辣なものでした。
でも最後まで見るとやっぱりアニメで良かった!と手のひら返ししました。
リアルなアニメ制作の現場、登場人物の悩み、人間関係のもつれ・・・
そういうリアルなシーンの中にも次第にアニメならではの演出・ノリ・キャラの見せ方が増えていき、リアルとフィクションが上手い具合に融け合った作品に仕上がってます。
特に中盤以降は色んなキャラにスポットライトが当たり、水島努監督らしいキャラの一人ひとりが生き生きとした、アニメならではの面白さが繰り広げられます。
2010年代でオススメのアニメは?と聞かれれば自分が真っ先に挙げるアニメの一つとなりました。
興味ある方はぜひ最後まで見ることをオススメします!