ビアンキ さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
キャラクターひとりひとりが、シナリオを動かす鍵。
今更ながら、全話見終わった。
アニメーション制作が題材という、
ちょっと特殊な作品。
登場人物たちが時間に追われ、
刻一刻と進んでいく時間の中、
それぞれが自分に割り振られた仕事をこなしていき、
ひとつのアニメを形作り、
放送に間に合わせるまでの奮闘を描く。
そんな話。
本作の魅力を書いてみる。
まず、
本作で一番大きな魅力は「キャラクター」だと私は思う。
主人公:宮森あおいをはじめとした、
かつてのアニメーション同好会の5人は、アニメ業界に入って、
・アニメーション同好会で、かつて作ったアニメを再度同じメンバーで作るという「夢」
・ その夢を叶える為、名実共に認められる、声優に・ライターに・ CGクリエイターに・アニメーターになりたい!という「目標」
・ そして、その目標を達成するための、 現時点で 目の前にある仕事をコツコツをこなしていく「努力」
この「夢への道筋」が、 ある一人を除いてしっかり出来ており、
彼女たちの容姿の可愛らしさも相まってか、
彼女たちが辛くも明るく、
楽しそうに努力している姿、
夢や目標に向かっている姿は、
素直に応援してあげたくなるだけの魅力を持っている。
しかし5人の中で唯一、この道筋がちゃんと出来ていないキャラがいる。
主人公:宮森あおいだ。
彼女は、とりあえずアニメ業界に入ることが「目標」になっており、
業界に入り制作進行、およびデスクとして「努力」をする以前に「目標」が叶ってしまっている。
彼女は目標よりも遥かに遠い「夢」を目指して、
ひたすら先の見えない「努力」をしていくことになる。
ただひたすら目の前の仕事を片づけ、
一本のアニメを完成に導くために。
本作はアニメ業界の裏側を描く話であると同時に、
主人公が、「夢」への執着を再確認・再認識する話、
でもあったのではないかと、
最終回の最後の方の飛行機での宮森とロロのやりとりを見て私は思った。
それと、
「目標」が薄れたまま、
ひとまずの終わりを目指して、
がむしゃらに「努力」している姿や、
ときどきでも夢を思い出し、
最初から最後まで、「夢」への執着を捨てなかった姿勢は、
5人の中でも一番主人公らしかったと私は感じる。
おそらく多くの視聴者にとっても、
5人の中で一番応援したくなるキャラであったのではないかと思う。
充分すぎるほどの魅力を持った、
主人公らしい主人公だった。
夢や目標があって努力をしているのは、
かつてのアニメーション同好会の5人だけではない。
本作に登場するほぼすべての人物が、夢や目標を持って、目の前の仕事をこなし、 ひとつのアニメの完成に向けて一丸となっている。
メインの5人も魅力的だが、
それ以外の女性たち、おじさん・おじいさんたちといった脇役も確かな個性と魅力を持っている。
主人公たち以上に、魅力を感じるキャラがいた、という視聴者も少なくないのではないだろうか?
ちなみに私個人は、主人公たち以上に、本田さんや矢野さんが好きだったりする。
主人公たちも好きだけどね。
アニメ業界が舞台ということで、 少々ではあるのだろうが、
業界の裏側が垣間見れる、 というのも忘れてはいけない魅力だと思う。
なんとなくしか理解していなかった、専門用語や役職が、作品を見ているだけで、なんとなく分かる。
( 一回だけ結構しっかり解説している回もあったけど)
なんとなくでは満足いかない人のために、公式サイトに行けば専門用語等の解説ページがある、というフォローもあった。
何より、多くのアニメファンにとって謎なところも多かったであろう、
どういう流れでアニメが出来ていくのか、
というのが、作品を始めから終わりまで見れば、
これまた何となくではあるけども理解できる。
一作のテレビアニメとして、 アニメ業界の裏側を描くという試みをした、というのは
本作の魅力の一つであり、 ひとつの功績だと思う。
時間がキャラクターを突き動かし、
キャラクターがシナリオを、アニメ制作を動かす。
そして、アニメが出来上がっていく。
魅力的なキャラクターが多数いたからこそ、
成立し完成した傑作だと思います。
下手くそな文章、お読み頂きありがとうございます。