Kuzuryujin さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
期待しないで観たら意外と後を引く面白さ
<3話まで観て>
太田雅彦監督の真骨頂。
太田監督は、チームワーク重視で副監督やシリーズ構成など、
いつも同じ面子で仕事する方。
同監督作では「琴浦さん」「みつどもえ」「さばげぶっ!」も好きな作品。
爆笑には、なかなか達しないものの、
毎回クスクスと顔がほころんでしまう作品が多い。
でも油断してるとたまに爆笑があったりします。
ゆるかったり、下品だったり、ゲスかったり…
いろいろなテイストがありますね。
2006年、「夜明け前より瑠璃色な」で、
キャベツで有名な作画崩壊の黒歴史を作ってしまわれた反省からだと思いますが、
近年の作品にはとても安定感があるような気がします。
並外れておもしろい訳でもないけど、
コメディとして安心のクオリティーの中、
まったりとした時間が過ごせる、といった感じです。
この作品はうざかわ系でもゆるくていい。
お兄さんが穏やかで包容力があるのが救い。
初回はいまいち感あったものの、回を追うごとに嵌ってしまった。
アニメならではのギャップ萌え、あなどるべからずです。
それにしても、キャラで楽しめれば、アニメはフィクションなのでOKなのですが…
ヒロインの名前が土間埋(どま うまる)とは、なんだか運命的に不安漂う。
天才にあぐらかいて、家では全く努力無くあんなグータラで
お菓子やコーラばっかりの生活では、いつか必ず太るし美貌も劣化しそう。
今は若いからいいけど、人生埋もれないよう頑張って、とつい言いたくなります。
<全話観終えて>
例えるならジャンクフードの魅力。
最後まで顔をほころばせながら観てました。
正直、コメディとしての面白さはいまいちで
人にはあんまりオススメしたいとは思えない。
むしろ、このキャラ達の可笑しさが存分に発揮されてたと思えたのは、
CM用の短編『ひもうと!うまるちゃんS』の方で、結構笑えました。
本編では、シルフィンの後ろの背景板と扇風機くらいしかツボらなかったかな。
本編では面白さより、キャラたちにひたすらほっこりさせてもらい、
疲れた時にぴったりのリラックス効果がありました。
声優さんが上手くて、画やBGMも絶妙でなんだか癒されるんですよね。
野島健児さんの演技が絶妙だった大平。
まさに名前に相応しい包容力と優しさ、ハイスペックぶりに不思議と癒された。
田中あいみさんの、うまる、UMR、こまるの声の使い分けも素晴らしかった。
他にも、海老名ちゃんの秋田弁と沸騰頭、シルフィンのブレないKYさ、
本場兄妹のポンコツさなど、出てくるキャラは愛すべき存在ばかり。
惜しむらくは、土間兄妹が裕福そうな実家からなぜ独立することになったのか、
わからないまま終わってしまったこと。
出来れば続編かOVAで、土間家の家庭事情をもっと知りたい。
また、大平の上司の叶(かなう)のエピももっと観たいですね。