りょうへい@アロエ さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
霊とつながりを持つ少女の物語
大学時代、私は哲学を専攻していました。
そんな自分が、死について簡単に考察します。
人間は生まれたその瞬間から、死に向かって歩き始めています。
キリスト教では、人間の死は「神の意志に背いた罪」によると考えられているので、
キリスト教的価値観で見れば、人間は生まれること自体が罪なのです。
そこでわれわれ人間は、宗教や信仰を頼りながら、避けることのできない死について思索を重ねてきました。
かの有名な古代ギリシアの哲学者・プラトンは、
「肉体が朽ち果てても魂は死ぬことはない。むしろ人間の魂は肉体の死を契機として永遠不滅の世界、イデア界の住民となり、そこで幸福を手にすることができる。」
という考えを遺しています。
死をよりよい世界への入口ととらえたわけです。
一方で、死について考えること自体が無意味だと考え、死の問題に煩わされることなく快楽を得ることが幸福だと考えるエピクロスのような哲学者もいました。
死の問題を考えるときには、自己の人生観や価値観が同時に問われています。
だから死について、いろいろな考えがあるのです。
哲学者や、同じ専攻のゼミ生の意見を聴いて、いろいろな考えを知りました。
では、この文章を書いている私はどうでしょう。
実際、死ぬとはどういうことなのかを考えると、頭の中がグワングワンします。
いろんな考えが頭に浮かんで、気が付いたら考えが堂々巡りしているのです。
なので、そんなことを考えるのは時間の無駄だと思いました。
後悔せずに今を楽しむ、死ぬときにいい人生だったと思えるように、毎日を過ごすべきだと思いました。
そんな自分の考えは、ストア派の哲学者に近いみたいですね。
でも、もしこの『レーカン!』の世界観のように、死んだ後は魂だけになって現世をフラフラするのであれば、
霊感のある主人公のように、生きている者と死者とのつながりを持ちたいと強く思います。
死んだあとが決して、現世よりも良い世界だとは思いません。
それでも、死んだらただのタンパク質の塊になるだけだとは考えたくはありません。
生前、大切だった人、ずっと一緒にいた人のそばにいたいです。
決して生きている者には聞こえないとわかっていながらも、見守っていたいと思うのです。
※各話の感想はブログにて掲載しています。
http://aloe.diary.to/