ピピン林檎 さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
改めてじっくり視聴してみると、思っていた以上に個々のキャラの《感情描写》が確りしている点に驚きました
※2019.2.11 制作情報を追記&各話評価を更新。
◆《感動》は余りしないが、《物凄く面白い》ことは認めざるを得ない、今も色褪せない名作
『フルーツバスケット』という少し古い作品を視聴していて、その終盤で作品から軽い「精神攻撃」を受けてしまい、そういえば、『エヴァンゲリオン』(TV版および旧劇場版)の衝撃ってこの比ではなかったな、と思って、同作のTV版の方を、飛び飛びですが久し振りに視聴してみました。
やっぱり本作は、見始めると惹き込まれてしまいますね。
タイトルに書いたように、私個人は本作には余り感動するということはありませんが、何度見ても物凄く面白い、と感じてしまうことは認めざるを得ません。
(※因みに私は、自分が思いがけず“深く感動させられた”作品には、総合点数に4.6以上を付けることにしています)
それで、本作(エヴァンゲリオンTV版)の総合点数をどう付けようか?と少し迷いましたが、私が本作と同じく「余り感動しないが、面白さは認めざるを得ない」と評価している『化物語』よりも明らかに面白いと思うので、とりあえず同作と同様の4.5としました。
※以下、TV版を各話毎に評価し、併せて旧劇場版&新劇場版も評価します。
(ただし、TV版の総集編+第25話途中までの内容の『新世紀エヴェンゲリオン劇場版 シト新生』は省略)
◆制作情報
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原作 GAINAX
監督 庵野秀明
副監督 摩砂雪、鶴巻和哉
脚本 庵野秀明、榎戸洋司、薩川昭夫、磯光雄、山口宏、樋口真嗣
キャラクターデザイン 貞本義行
メカニックデザイン 山下いくと、庵野秀明
音楽 鷺巣詩郎
アニメーション制作 タツノコプロ、GAINAX{/netabare}
◆視聴メモ
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・第6話視聴終了時点
序盤の山場であり、初の★★(優秀回)。
・第12話視聴終了時点
冒頭でセカンドインパクト当時のミサト(NERV戦闘指揮官)の記憶が描出される点に注目。
・第13話視聴終了時点
前話のミサトに続いて、同僚のNERV技術部主任リツコの心情が描出される回
・第16話視聴終了時点
シンジの内面世界の動揺が初めて描かれると共に彼の亡母(ユイ)とレイの類似が暗示される注目回。
・第19話視聴終了時点
エヴァ初号機覚醒を描いた★★★(神回)であり、本作が本格的に面白くなるのはここから。
・第24話視聴終了時点
コマ数は明らかに少ないのだが、心に迫ってくるものがあるカヲル回(2度目の★★★(神回))。
そして次回予告が「第25話 Air」になっている点にも注目。{/netabare}
◆各話タイトル&評価
★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得のいかなかった疑問回
========= 新世紀エヴェンゲリオン (1995年10月-1996年3月) ========
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第1話 使徒、襲来 ★ 15年ぶりの使徒出現、碇シンジNERV召喚、エヴァ初号機出撃
第2話 見知らぬ、天井 ★ 続き、葛城ミサトとの共同生活開始、初号機暴走・第3使徒自爆
第3話 鳴らない、電話 ☆ 転入先の学園生活、クラスメートとの交流、第4使徒撃滅
第4話 雨、逃げ出した後 ★ シンジ家出・保護・パイロット登録抹消、思いとどまり ※戦闘なしの日常回
第5話 レイ、心のむこうに ★ 零号機暴走事故、レイ宅へのお遣い、第5使徒襲来
第6話 決戦、第3新東京市 ★★ NERV本部の危機、ヤシマ作戦(レイと初のコンビ戦闘、第5使徒撃滅)
第7話 人の造りしもの ☆ 日本重化学工業開発メカ暴走、ミサトの決死行、反応炉停止(加持暗躍)
第8話 アスカ、来日 ★ UN太平洋艦隊訪問、アスカ登場、エヴァ弐号機出撃、第6使徒撃滅、アダム到着
第9話 瞬間、心、重ねて ★ 初号機(シンジ)&弐号機(アスカ)ユニゾン作戦、第7使徒撃滅
第10話 マグマダイバー ☆ 浅間噴火口突入(弐号機)、第8使徒撃滅、シンジのアスカ救助
第11話 静止した闇の中で ☆ 第3新東京市電源喪失、3機同時出撃、第9使徒撃滅
第12話 奇跡の価値は ★ ミサト三佐昇進、巨大使徒落下(3機共同作戦)、第10使徒撃滅、父の誉め言葉
第13話 使徒、侵入 ☆ 自己進化型使徒の人工知能MAGI侵入、第11使徒撃滅(リツコ奮闘)
第14話 ゼーレ、魂の座 ☆ 人類補完計画進行とそれぞれの思惑 ※前半は登場キャラ達の回想による総集編・後半も使いまわしシーン多い点は×
第15話 嘘と沈黙 ★ それぞれの休日(知人の結婚披露宴、シンジの墓参、ミサト不在の晩)、大深度地下の秘密(第1使徒アダム?)
第16話 死に至る病、そして ★ ディラックの海、初号機サルベージ作戦とエヴァ暴走(第12使徒撃滅)
第17話 四人目の適格者 ☆ 在米NERV第2支部消滅、4人目のパイロット決定(鈴原トウジ)
第18話 命の選択を ★ 使徒のエヴァ3号機乗っ取り、松代爆発事故、シンジ戦闘拒絶・ダミープラグ機動、第13使徒撃滅・トウジ重傷
第19話 男の戰い ★★★ シンジの暴走未遂・エヴァ搭乗拒絶、最強の使徒襲来、サードインパクトの危機、初号機覚醒・第14使徒撃滅
第20話 心のかたち 人のかたち ☆ シンジ・サルベージ作戦
第21話 ネルフ、誕生 ★ ※西暦1999年以降の出来事が述べられる回(南極事故、碇司令&冬月副司令の過去、エヴァ開発とユイ消失、NERV発足etc.)、加持抹殺
第22話 せめて、人間らしく ★ アスカの過去・使徒の精神攻撃、第15使徒撃滅(ロンギヌスの槍)
第23話 涙 ★★ 使徒のレイ浸食、零号機自爆(第16使徒撃滅)、3人のレイ(レイの秘密・素体破壊)
第24話 最後のシ者 ★★★ ゼーレからの使者(5th C.渚カヲル)、第2使徒リリスとの接触回避、第17使徒扼殺
第25話 終わる世界 × ※シンジ他の精神世界を描出する異色回だが脚本散漫で残念
第26話 世界の中心でアイを叫んだけもの × ※同上{/netabare}
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★★★(神回)2、★★(優秀回)2、★(良回)12、☆(並回)8、×(疑問回)2 ※個人評価 ★★ 4.5
OP「残酷な天使のテーゼ」
ED「FLY ME TO THE MOON」
※このように第17話までは割とよくあるメカ系バトルもの(エヴァはメカではありませんが)に見えますが、そこまでに実は綿密に貼られていた伏線が、第18-19話を境にして終盤どんどん回収されていき、ストーリーは第23-24話に向けて急上昇していきます(ただしそこがピークでラスト2話で急下降してしまう)。
※TV版ラスト2話(第25-26話)が何故こんなガッカリする内容になってしまったのか、は諸説ありますが、制作スケジュールが苦しくなって当初の脚本(下記の旧劇場版に近いもの)を、より制作が楽なものに差し替えた、という説が信憑性が高いと思います。
※いずれにせよ、このラスト2話は下記の旧劇場版で完全に補完されているので、本作に興味を持った方は旧劇場版は必見です。
===== 新世紀エヴェンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に (1997年7月) ====
第25話 Air ★★ {netabare}ゼーレのNERV強襲(戦略自衛隊侵攻・撃退、アスカ復活・奮闘、S2機関搭載ダミータイプ投入){/netabare} ※約46分
第26話 まごころを、君に ★ {netabare}人類補完計画発動(初号機依り代化、アダムとリリスの融合、黒き月出現・サードインパクト、残された二人){/netabare} ※約40分、ラスト15分前(実写パート)以降は残念な出来×
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★★★(神回)0、★★(優秀回)1、★(良回)1、☆(並回)0、×(疑問回)0 ※個人評価 ★ 4.2
※以下は、2000年代後半から制作・公開が続いているアナザー・ストーリー(並行世界、または、どこかの時点からループしている設定らしい。※『Q』のカヲル君のセリフから)
===== ヱヴェンゲリヲン新劇場版 ====================================
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 (2007年9月) ★ {netabare}第1~6話を新規作画で再構成、一部新規シーン{/netabare} ※約98分
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 (2009年6月) ★★ {netabare}第8~19話を下敷きとしたアナザーストーリー、なお新パイロット(真希波・マリ・イラストリアス)登場{/netabare} ※約108分
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q (2012年11月) ★ {netabare}「破」から14年後の完全新規シナリオだが、第24話の展開を最大のモチーフとしている。{/netabare} ※約95分
シン・エヴァンゲリオン劇場版:|| (未定)
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★★★(神回)0、★★(優秀回)1、★(良回)2、☆(並回)0、×(疑問回)0 ※個人評価 ★ 4.3
◆総評
エヴァンゲリオンは、2000年代後半から制作・公開が続いている新劇場版も十分に面白いと思うのですが、それでも、やはり旧作の方の、TV版のラスト少し前の第24話({netabare}カヲル回{/netabare})が、私は素晴らしい《神回》だと思っていますし、そこに至るまでの流れ(特に第19話から後の流れ)が、実に説得力に富んでいて見事だと思っています。
新劇場版第2作『破』の面白さも、TV版第19話({netabare}最強の使徒ゼルエル回{/netabare})を視聴者が予(あらかじ)め知っているからこそ生まれる部分が多いのではないか、と思いますし、第3作『Q』などは、前記のTV版第24話をベースにして、様々なエピソードを付け加えて、90分を超える1本の映画に引き延ばした感さえあるくらいです。
要するに、新劇場版は、当然ながら、旧作(TV版+旧劇場版)を「本家取り」しており、本家との違いを楽しむ部分が大きい、と私個人は思っていて、そういう意味で「本家」を未視聴の方には是非とも一度視聴をお勧めしたいです。