ビアンキ さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 3.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ハッタリの効いたバトル×ミステリーアニメ
BS11にて全話視聴。
物語は王道なバトルファンタジーであり、 人狼ゲーム的なミステリーモノでもある。
「誰が七人目か」を作品中の描写から推理し、当てるのは大きな楽しみであろう。
でも、本作の面白さはそれだけか?
そんなはずはないだろう!
というわけで、
多くの方が散々書かれている推理の部分は極力無視して、
推理以外の面白さや魅力を書いてみる。
(ひねくれ者の思考)
さて、
本作の面白さは「ハッタリ」による部分が大きいと私は思う。
特に主人公:アドレット・マイアは
この作品を象徴する大きな「ハッタリ」そのものであった。
「地上最強の男」と自称、
複数の武器や道具を用い、相手を翻弄するトリッキーな戦術を得意とする。
窮地に立たされた時は、持ち前の度胸と知恵と話術で一か八かの大ギャンブル。
しかし
一部の聖者のように特殊なことは何も出来ない上、
普通の人間として悩み、心が折れそうになったりするなど、
普段のやや異常な自信や、大言壮語とはかけ離れた面も少々だが持ち合わせ、見せていた。
作品中でも言われている通り、
実際のところは「凡人」
数々の「強者(他の六花)」を相手に、
自称地上最強の「凡人」が持ち前のハッタリや話術や知恵を使って渡り合った末、
凡人が勝利し、強者の考えを改めさせる展開は
割と誰が見ても面白いエンターテイメントになっているであろう。
そしてこれは、本作の推理要素と並ぶぐらい大きな魅力だと私は思う。
本作の音楽は魅力であり、ハッタリだ。
巨大な上、基本的に複数で現れる凶魔とのバトルや、六花同士の争い(心理戦、舌戦含む)に、
不意打ちや急襲の時は、ワッと壮大な曲で盛り上げて視聴者を引き込み、
心理戦や舌戦の時は、弦楽器やピアノ等の音を際立たせキャラクターへの不信感を視聴者に煽る。
そして本作は音楽をかなり意識的に際立たせているように感じる。
放送版でもある程度は努力の跡が窺えるものの、
Blu-rayを購入して、かつ良い音響設備で聞いて始めて臨場感が本質を発揮するものなのだろう。
Blu-rayの販促CMで推すだけある。
オープニング曲、
物語が王道なバトルファンタジー物であることを演出する時は明るい雰囲気の曲。
シナリオが進み、六花同士で疑心暗鬼になるミステリーモノになった事を演出する時は暗めの雰囲気の曲、
と視聴者にそれらしい印象を与えている。
謎がひとまず明かされる最終回で明るい曲に戻ったのも良い演出だったと思う。
作画
私が書くまでもなく美麗で繊細。
第1話から最終回までバトルはダイナミックに
カメラワークもよく動いて見えるよう、
考えて動かしているように感じた。
キャラクターの細かい仕草や表情も、私が見た限り極力手を抜いていない。
しかし、序盤は非常にクオリティが高かったものの
終盤はちょっと怪しいところもあったのも事実…
それでも全体を見て、
テレビアニメでよくここまでやった!と十分言える出来だと私は思う。
凶魔とナッシェタニアの飛ぶ刃はすべて3Dで作られていたが、
個人的に質感に違和感を感じた。
ここはもうちょっと色彩や質感を馴染ませられなかっただろうか、結構気になった。
しかし特に凶魔に関して、違和感なく多数を動かせるのはかなり凄いと思う。
3Dも進歩したもんだ…(遠い目)
まとめ
最後に言っておくと、シナリオのテンポは決して良くは無かった。
しかしクオリティの高い作画や音楽の力もあってか、
全編を通して推理モノとしても、
またハッタリの効いたバトルアクションモノとしても、
なかなか楽しめる作品になっていると思います。
作品の評価としては「秀作」
下手くそな文章、お読み頂きありがとうございます。