血風連あにこれ支部 さんの感想・評価

3.4
物語 : 2.5 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.0 状態：観終わった

あのラストは何度見てもよくわかりませんね

本サイトで、文学的、あるいは芸術的に評価できるという風な事を聞いて。
再度レンタルしてもう一度見たのですが、繰り返し見てもサッパリでした。
TV版はともかく、劇場版は明らかに評価を上げすぎたので調整しますね。

{netabare}まどかが概念化すれば魔女が現れないから、世界は救われる。だがまどかはいなくなる。
まどかが戻ってくれば、ほむらは満たされる。だが世界がどうなるかはわからない。
概念化とまどか個人の存在はシーソーの関係になっているから、二つ同時に得られるという事はない。あっちが立てばこっちが立たない状態である。

前者はTVシリーズの最終回の結末で、私も感動できたのだが。
劇場版ラストはそれを明確に否定する形となった。TVシリーズに感動した人であればあるほど、感動できない。あるいは困惑する人が多かったのではと思いました。
私もそのうちの一人ですね。なので、TVシリーズ劇場版両方を絶賛する人の気持ちがあまりわからないです。（どっちかを絶賛していて、もう片方が微妙というならわかるんですが）

全体か個か、どちらを取るかってのはよくあるテーマですね。それは人によりけりなのですが世界が滅びては個は生きられない、なのでまどかは全体を救った。
ですが、それを台無しにしてしまったほむらの心象はよくわかりませんね。
勿論、まどか個人の存在も大事だとは思いますが。世界がどうなっていいとも思いません。
世界を滅ぼすことが愛か、という質問をされれば、私は違うと答える事になると思いますので。やはり納得はできかねます。
まどかの意思を汲み取っているとか、そういう表現でもあればある程度はわかるのですがね。
最後のアレは、アクの強いほむらのエゴが前面に出すぎていましたし、絵的にも心情描写的にも、納得できるとは感じませんでした。

前半、中盤とグイグイ引き込む脚本の手腕は健在なので、面白くないかと言われるとそうでもないんだけど。うる星BDと似すぎてる部分があるし、やはりあの終盤がネック。
そもそも相互理解もない愛ってストーカー思考だし、これを評価している人が割といる現状がアニオタの病みっぷりを示しているようにも思えてしまう。（これで平均評価4.3は宗教じみたヤバさを感じる。yahooの映画評価は3.39らしいけど、さてどっちが正しいのやら？）

せめて「愛」じゃなく「希望」って言ってくれたら、大衆的にも受け入れやすい終わりになってたと思う。虚淵氏のクリエイターとしての尖った部分がそれを許さなかったのかもしれないけど。
本編であまり活躍の無かったさやかやマミに見せ場があったのがせめてもの救いだと思いました。
ですが、それ以外は私には合わなかったです。まどかはアニメ版最終回で終わっていれば綺麗だったのかもしれませんね。{/netabare}