runa21 さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
受け継がれていくモノ
九太という一人の子どもが人間の世界にいたけれども、
そこに居場所がなくふらふらしていたところ、
熊徹と出会い、バケモノの世界に迷い込み、
熊徹や、仲間の支えをもとに成長し、
自分のやりたいこと、生きる道を探し出す話です。
まだ上映中なので、
あまり細かい内容については、省きますが、
この物語を語る上で欠かせないのは
なんといっても、九太の成長を見守り
支えてきた大人たちでしょう。
{netabare}
熊徹は
自分の感情にとても素直で、乱暴ですが、
彼の自由な生きざまは、
人間の世界にいたときに、自分の感情を抑えて
膝を抱えて生きてきた九太には持ち合わせていないもので、
彼の前では九太も、遠慮なくずばずば言うことができます。
熊徹もまた、九太と暮らすことで、
自分に足りないものを知り、
九太とともに成長していくすがすがしいキャラクターでした。
多々良や百秋坊は、
熊徹と九太を、時に厳しく、時に温かく見守り続けます。
ラストに差し掛かった時の、
彼らのセリフがとても印象的でした。
自分達大人にしてみれば、
あっという間だったかもしれないけど、
九太にしてみれば、
子どもから大人になるもっとも重要な時間を
バケモノの世界で、彼らと暮らしてきたんですよね。
九太はあのまま人間の世界にいたら、
こんな風には育っていなかったと思います。
彼がこんな風に成長し、
誰かを助けられるような大人に育て上げることができたのは、
間違いなく、彼らの力によるものだと感じました。
そして彼らから授けられたものを胸に、
九太は成長し、今度は授ける立場になるんですね。
楓から受け継いだものを一郎彦へと
つないだものもありますし、
そうやって、人は、いろんな人とつながっていくんだなぁと
感じさせてくれる物語でした。
{/netabare}
個人的にはおおかみ子どもよりも
こちらの方が好きです。
おそらくもう一回劇場で見ると思います。