Kuzuryujin さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
エンタメとしては十分以上の秀作
正直、二期を観終えて直後、事件は解決したものの
カタルシスに乏しくモヤモヤがかなり残っていた。
もうこのシリーズ終わりでいいかなとさえ思ってしまった。
途中どんなにサスペンスが強く悶々としても
一期では最高のカタルシスを味わえたので
二期の出来はいまいち感が強かった。
しかし今作は、そんな不完全燃焼な気持ちを一掃してくれました。
あっという間の113分。
やはり、虚淵玄さんがメインライターとして執筆してる脚本は一味も二味も違う。
ヒーローはヒーローらしく、ヒロインはヒロインらしく輝いていました。
コウガミとツネモリの台詞のひとつひとつにシビレシステムw
舞台が海外に飛び、TVシリーズでは味わえない火器類のドンパチ。
作画と音響の素晴らしさもあり最高です。
肉弾戦もかなりの迫力ありました。
美術に関しても、さすが劇場版ともなると手間の掛け方と分量が段違い。
光の処理と隅々まで行き届いた細やかな描画。
全体的にとても綺麗だし、リアリティがあり引き込まれます。
エキゾチックな近未来の東南アジアの世界。
特に、シビュラシステムに管理されたユートピアエリアと
無法地帯のディストピアエリアとの描き分けが実に見事。
{netabare}
二期では、敵に翻弄されることが多いせいで
ヒロインらしからぬ描写が多かったツネモリが
ここでは惚れ惚れするほどかっこいい。
そして、コウガミがヒーローとして帰ってきた。
個人的に一期の三割増しの魅力がありました。
この二人いてこそのPSYCHO-PASSなんだと再認識。
ギノザも二期では半ば空気と化していたのが
出番が少ないのにも関わらず今作ではとてもいい。
亡霊として最後にわずか登場のマキシマも実に効果的。
劇中音楽では
コウガミは初登場は冒頭でしたが、
次にスナイパーとして登場して話に絡み始めた時に流れた曲がいい。
キリスト教圏のミサ曲から、
テノールかバリトンかは不明ながら男声独唱による
アニュスデイ(Agnus Dei)を使ってました。
ラテン語で歌われるミサ典礼文でもある歌詞の意味は、
「世の罪を除き給う天主の子羊、われらをあわれみ給え。」
OP曲はいまいち好きになれず。
ED曲はとてもいい。
不満点は
・英語が多すぎ。普通に全編日本語にして欲しかった。
・今作初登場の敵役の中でも特に傭兵部隊の面々がとても味わい深いキャラだったので
1クール以上のTVシリーズの中で描いて欲しかった。
それ以外は、文句なし。
{/netabare}
虚淵玄さんがメインライターという条件付き(監修ではダメ)ですが、
3期でも劇場版でもどちらでも構わないので
ぜひ続編を熱望します!!