蒼い✨️ さんの感想・評価
2.5
物語 : 1.5
作画 : 4.5
声優 : 2.5
音楽 : 3.0
キャラ : 1.0
状態:観終わった
平成元年の劇場作品。
80年代アニメのイメージ。
TVアニメは作画が雑で劇場アニメは超丁寧な職人芸。
そして、メカと戦争だらけの近未来世界ですね。
ヴィナス戦記は原作者の安彦良和自らが監督・キャラクターデザイン。
そして連名で脚本担当といった徹底した作品です。
そして、音楽担当は久石譲。ジブリアニメと違って今回のBGMはF1っぽいですね。
この作品世界は、
西暦2003年に金星に氷の惑星が衝突し、地表に海が出来て大気に覆われたとのこと。
そして、2018年に地球から移民が開始。(現実じゃ月の半分しか届いてないのに)
そして、金星で分割統治していた「イシュタル」と「アフロディテ」が、
領土をめぐって常に戦争をしていた。
そして、物語は西暦2089年(劇場公開時のちょうど100年後)
紛争に巻き込まれた若者たちを中心としたお話っぽいですね。
主人公はバイク乗りの暴走族の少年。
やたら反抗的な性格をしています。
大きなもの、偉そうなやつを少年が倒す。
そういうものがこの作品のバックボーンに感じられました。
おおまかに言えば、なりゆきで軍に入れられて、
銃を搭載したバイクで戦車を倒す。そういうお話ですね。
さて、観た感想。
作画は本当、メカの動きとか爆発とか丁寧に描かれていて高水準です。
でもねえ、ブリーフ姿の少年たちが描かれてるのが微妙でした。
そんなの見ても全然楽しくないよ!
あと、実写合成シーンいらないですね。
アニメを観てるのに何で実写って感じで。
そこのシーンがやたら浮いていますね。
あと、主人公役の植草克秀が棒読みっぽい。
他の配役がシャアの人とかマ・クベの人とかガンダム声優を中心にマトモな人選ですので、
ひとりだけアイドルタレントですと、演技としても場違い感が出てしまいましたね。
あと、やっぱりまずいと思ったこととして、致命的にストーリーが面白く無い。
戦争に巻き込まれたワルガキ共の青春劇を描きたかったのでしょうけど、
大人はわかっちゃくれないなんて流行らないですし、
怒ってばっかりの主人公から人格や人間的魅力を感じられませんでした。
率直に言うと、淡々としすぎてて100分ぐらいの作品なのに途中で何度も早送りしたくなりました。
それと無理があったのが、終盤に敵の司令官(今作品のボス)が頭に血が上って、
軍隊の指揮を忘れて、戦車単騎で主人公を追いかけてくる。結果敗死するのですが。
間違いなく軍人失格ですし、優秀な司令官設定なのに無能すぎると思いました!
ヴィナス戦記の劇場版の興業に失敗して安彦良和氏が映像関係から身を引いて
しばらく漫画家に専念していたのも仕方ないですね。だって面白くなかったですから。
有り体に言えば、セルアニメの職人技の見本市以上の価値を私は感じられませんでした。
今回はこれにて終わります。読んで下さいまして、ありがとうございました。