HATAKE さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
原作リスペクトな作品(当たり前のことですが)
人の想いや、人の願い、人の妬み、などなど人間として生きていく上で必ず出てくる綺麗な考えや、汚い考え、立場が違えば見方も違う。
大人数(多数)に少人数(少数)が意見などしても無力なように、蟲というものにある日急に取り憑かれてしまった人間と、それを気持ち悪がって関わらなくなったり、村から追い出そうとするその他大勢…
むろん、その他大勢が悪いというわけではない。例えるならカフカの有名な小説にもあるように、家族の一員がある朝巨大な昆虫に変わって、どう対処したらいいか分からずに、避けるか、追い出そうとする、あるいは殺してしおうかと考える。
一方蟲に取り憑かれた人をカフカの小説の主人公。ある朝巨大な昆虫になってしまったと仮定するならば、最初のうちはどうにかして助けてもらおう、姿は変わってしまったがこれは私だよ、と言葉は話せずともなんとか行動によってわかってもらおうとするが、相手はただ巨大な昆虫が動き回っているだけにしか見えず、そもそも巨大な昆虫が家の中を動き回っているという光景というのは恐怖でしかないためそんな風に解釈できる思考が働くはずもなく、やがて主人公(巨大な昆虫)は家族に迷惑を掛けまいと自室の隅や、ベットの下、安楽椅子の下など、目の届かないところへと隠れてしまう。
まあ、蟲師とカフカの変身とでは結末が違うので例えとしてはおかしかったかもしれないが、集団の中に一つだけ異形の者や、見慣れぬもの、または人智を超え人々に害しかもたらさぬ者などがいた場合は、ゴキブリの対処よろしく、スプレーなりなんなりを駆使して追い出すか、殺そうとする。
だが蟲師は主人公のギンコがどうにかして蟲に取り憑かれてしまったり、蟲の影響で環境がおかしくなってしまった村などを綺麗さっぱり解決させてしまう。
結末だけを見るならば「あー良かったね」「ハッピーエンドだね」という感想になるが、話し全体の感想をするならばほぼどの話も多数と少数について話したような感想になってしまうが、毎回綺麗に畳んでくれるので次回はどんな話なのだろう!とワクワクした気持ちで視聴したくなる。
どうしても話の一部は暗いシーンが入り込んでしまうが、なかなかどうして!
大抵この様なスポットを当てているキャラクターが辛い立場になると所謂『鬱アニメ』などと言われる(蟲師の場合最後には解決される)が、ただ暗いだけでなくそこから何かを伝えようとする姿勢が伝わり、そして必ず最後には明るい気持ちで終わることができる。
ありゃー、なんだが序盤からここまでかなり変な感想になっちゃったな(汗
あっ、因みに自分が気に入った話は20話です。ホニャララな理由で足が不自由な蟲師の女の子のところへギンコが会いに行くような話なのですが、話の最後に女性が「お前と旅がしたいな、お前が話してくれた蟲を見て回りたい」「まっ、その頃わたしは老婆だろうがな」というような会話をしていたのですが、何故かこのセリフがじんわりと心に染み渡ってきました。ギンコはんモテモテですなぁ(¬_¬)
まだ続章以降は見ていないのでまた暇な時を見つけて見てみようと思います。
長くなりましたが
それでは〜