ビアンキ さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
今まで感想書いた中で、一番書くの難しかったかも。
レンタルDVD&BSJapanで全話視聴。
本作の感想を書いてみる
本作は比較的ギャグ寄りな回と、比較的シリアスな回の両方が混在している。
しかし、私が見た限り、「銀魂」という世界観やキャラクターが崩壊したことは一度もない。
なぜか?
それはこの「銀魂」という作品がいい意味で「既に崩れかかっている」からだと私は思う。
しかしギャグ寄りな回と、シリアス寄りな回で見せる面を使い分けている。
ギャグ寄りな回では、原作漫画そのままの膨大で圧倒的なセリフの量とネーミングセンス、
奇抜で癖の強いゲストキャラ、
そして時々挟み込まれるパロディネタで、
既に崩れかかっている「銀魂」という世界観やそのキャラクターをより一層崩して、笑いをとる。
一方でシリアス寄りな回では、
実際の歴史上にもあったような出来事や場所、人物をモチーフにした回、
つまり「銀魂」という江戸時代のパラレルワールドであり、ファンタジーでもある世界観の中で、
完全にファンタジーではない、大きく崩れていない回が比較的多い。
そしてキャラの中に隠れた真面目な面や信念を見せつつ話をまとめ上げる。
ギャグ寄りな回とは対照的である。
この二つが違和感なく成立する大きな要因には、
本作の世界観が
「江戸時代を下敷きにしたパラレルワールド&ファンタジー」であり、
その上主人公が何でも屋という、設定上の自由度の高さも大きいが、
「坂田銀時」という主人公のキャラクターによるところもかなり大きい。
かつて天人との戦争に参加し、白夜叉と呼ばれた伝説の侍。
しかし日本が天人との戦争に負けた後は、いわば何でも屋である「万事屋」を(知り合いのスナックの二階に)建て、ほとんど仕事をせずニート同然の生活をしていた。
この主人公の持つ「過去」と「現在」のギャップと二面性。
これがあることによって、
ギャグ寄りな回、シリアス寄りな回、
どちら寄りな話でも、どんなことをやっても言っても説得力を持たせ、また視聴者に違和感を与えさせない。
「銀魂」という作品が、常に崩れかかっていても、完全には崩壊しない大きな理由はこれだろう。
つまり!
主人公:坂田「銀」時の「魂」が、作品の完全な崩壊を防いでいる。
だから本作は「銀魂」なのだ。(何だこのまとめ)
…作品の崩壊を防いでいたのは、いろんな意味でスタッフの力も大きいようですが(笑)
ギャグ回、シリアス回共に面白い良作だと思います。
下手くそな文章お読み頂きありがとうございます。