ビアンキ さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
「使い切った」作品
2年程前にAT-Xで視聴。
1998年、深夜帯で放送されたテレビアニメ。全12話
未来から来たと思しき3人の少年たち。
どうやらその少年たちには未来を変える使命があり、そして時間がないらしい。
少年たちは学校の生徒として学園に紛れ込み、未来に関してのキーワードをさがしつつ、
その少年たちのひとり(ガウル)は3人の前にあらわれる怪物を倒すために変身し、戦っていく。
そんな話
本作の感想を書いてみる
本作は一応ヒーローアクションものではあるが、非常に地味である。
まず、画面が暗い。主人公の戦いも、非常に地味で見せ場らしい見せ場はほぼない。
ヒーローらしい格好よさとは無縁に近い。
第六話のように演出・絵コンテ的に頑張ってる回はあったりするが、「本作最大の魅力」は、演出やアクションではないと思う。
じゃあ「本作最大の魅力」って何よ?
それは⬇
本作は主人公たちも含め、名前のある登場人物ほぼ全員が伏線であり、重要なキーワードになっている。
視聴者に伏線を気づかれないように登場人物を出し、登場人物以外のキーワードをばらまいてゆく。
そして最終回で伏線を全て回収し、キャラクターも無駄なく使い切り、全12話で綺麗に纏めあげた。
この「構成力の高さ」こそ、本作最大の魅力であり、評価点だと私は思っている。
素晴らしかった。
キャラクターは、「個性」を持っているというよりかは、
1人1人に重要な「役割」が与えられていると感じる。
どのキャラも派手ではないものの存在感があり、どのキャラも十分魅力的だと思う。
唯一、「マサミ」というキャラだけ頭に結構強い個性を持っているが、そのくらいのキャラ付けは、
この地味な作品中でも、強く目立たない程度の悪くないキャラづけだと思う。
シナリオ全体もバトルも非常に地味で盛り上がらない。
そのため人によっては退屈な作品かもしれない。
しかしこの作品の構成力の高さ、キャラクターの使い方の上手さは、地味だからこそ光り輝くものだと私は考えている。
私は「秀作」と評価する。
下手くそな文章、お読みいただきありがとうございます。