葵ジュニRSS さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
脚本、作画、音楽、演出、声優が奏でる良質なハーモニー
スポ根、青春、吹奏楽。
原作未読。
過去に「のだめカンタービレ」を視聴した際にオーケストラについて調べたことがある。それぞれの楽器の特性や、ブラスバンド+木管楽器→吹奏楽、さらに+弦楽器→オーケストラ。という程度の知識だが。
吹奏楽というものを、学生のうちに何度か見たことがある。ただあまり意識したことがなかったためか、本作で題名にもなっていて中心的に扱われる楽器「ユーフォニアム」の存在は知らなかった。そしてこのユーフォニアムを含む低音パートが活躍するのが吹奏楽の特徴でもあるらしい。
京アニで音楽ものということで、どうしても名作「けいおん!」と比較されてしまいがちである。視聴前はどうなることかと思いつついざ視聴してみると、これがまた別のテイストでなかなかいい。
あまり日常の話や萌えを前面に出すわけではなく、あくまでも吹奏楽の話が中心で、しかもけっこうスポ根してる印象。このあたりはしっかり「けいおん!」と区別してきたなと思った。
鬼畜だけど有能な先生に鍛えられて、何度も困難にぶち当たりながらもしっかりと成長していく主人公たちを思わず応援したくなる。私は部活なんて強制でやらされているだけで、気のあった友達とただの暇つぶし程度でしかやったことがなかったが、部活にあけくれる青春もいいものだなと少し感じた。
作画はさすが京アニというべきか、終始安定している。特に久美子が泣きながら走っていくシーンの作画は圧巻で、各地で話題になっていたし、久美子と麗奈がいろいろと語り合うシーンは、どれをとっても素晴らしかった。
そして久美子のCV黒沢ともよにも注目したい。まだ若手だが子役時代からメディアで活躍していたこともあり、抜群に演技がうまい。気のおける男子とかわすちょっとした日常の会話から、麗奈との関係が少しずつ変わっていく感じなど、感情表現が抜群にうまい。これからの活躍に期待。
音楽においても、ド下手な人だったり全体で音が合っていなかったものが、だんだんと練習をするにつれ、しっかりとまとまっていく感じが、素人の私にも分かる程度に作られていて感心した。ただ欲を言えば、最初から最後まで通して演奏を聞かせて欲しいなと感じた。そのあたりはサントラで補完することにする。